ひとりの夜
【19連休】3日目
旦那の手術。
旦那は元気だ。だから手術する実感がない。
無精子症・精子を採取する手術なのだが、精子があるか?ないか?手術しないとわからない。
3時間の手術。
先生に呼び出された。
「精子は見つかりませんでした。」
時間をかけて少しずつ諦めてきた。
手術は諦め切れない旦那の希望。
旦那の体を傷つけてまでやった手術。
手術が終わった。私だけ実感がない。
何もしていないから。
できるなら代わってあげたかった。
うまく結果が受け入れられない。
「もう、これ以上頑張らなくていい。もう、これからは自由に生きよう。」
旦那に声をかけた。
旦那は子どもが欲しかった。すごく。
旦那が泣かないから、私が泣きそうになる。
どうにもできないことはいっぱいある。
どうにかしてあげたい気持ちがある。
旦那には笑っていてほしいんだ。
時間をかけて諦めてきたつもりだった。
諦めが今日ついた。
明日からそれを受け入れるのだ、少しずつ。
時間をかけて。2人で。
今日は1人の夜。
お留守番中のはしばを持ってくればよかった。
きっと旦那も同じことを思っているだろう。
【母のLINE】
大変、でしたね
体、大事にしてね
仲良くね
このLINEでやっと実感したのだった。
そして、いっぱいになった気持ちが溢れたのだった。