退職代行を使い8年勤めた会社を辞めた
また大好きな小説家執筆が出来る様になったらいいなぁ……
8年間在籍してた介護施設を退職した。
元々は老人介護に興味はなく、大学での専門も知的障碍者などの方面であった。
ただ仕事が無く、何やかんやの末、老人ホームで働くことに。
ここでも芽が出ず苦しんだが30歳の時にようやく介護福祉士を取り今の施設へ入職した。
そこで様々な部署を回っていき最終的に5年ほど前にグループホームに配属され以後ずっとそこに居た。
職員の中心は50代~70代と中々凄いがベテランの集まり。
そんな中で揉まれながら目立たぬ様、着実に力を蓄えていった。
辛い事も沢山あったが楽しい思い出もある職場だった。
ただ………他所の部署、もしくは他の施設に比べ『薬の事故』が圧倒的に多かった。
取り違えなんかは私が在籍中1回しか無かったが飲まし忘れ、薬が落ちていた、なんかはかなりの頻度で起きていた。
そしてここ半年ほどでそれがより深刻化していった。
チェック表などを作成するもダブルチェックを普通にすり抜けて事故が起きる。
利用者に薬を重複させて飲ませる。もうこんなのが毎月3~5件あって頭が痛くなる。
そして新しい上司(元々ウチにいた職員が出世してカムバック)が来て……『悪化』した。
彼はとても熱血漢で仕事も夜の11時くらいまで普通に残っているというまあ、はた迷惑な人であった。
ともかく熱く、利用者の葬式に行ってきた際は職場に戻って来て『親っていいなぁ』とクソ熱い演説をぶちかましてくれた。
私なんかは一応熱い気持ちこそ持ってはいるが割とドライな方。
温度差が凄まじいと思いつつも理想としている部分には共感していたので改革にも率先して協力していた。
ただ、熱すぎる思いと急速な改革のせいで色々と歪も生まれてしまっていた。
何というか皆が疲れてしまったのだ。
語っているのは正論なのだが真正面から全力投球され続けては堪ったものではない。
ともかくちょっとしたミスも『事故』として報告書を書かせていった。
点数稼ぎで大げさに密告する職員もいてまあ、空気が悪くなる。
報告書の管理、指導をしている私も捌ききれないくらいに詰みあがっていく報告書。
事故が多いからと上司自ら厳格に手順を決めて張り出すも……手順がややこし過ぎて混乱。
増える報告書を捌くのに休日も出てきて対応しないといけない始末。
そんな中、ウチで一番若く仕事が出来ていた20代の職員が退職することが決まる。
『他にやりたいことが見つかった』という事だったが相談に乗ってた私は『上司が熱すぎてウザイ』『年配職員達が仕事を押し付けてくる』という事を知っている。
そんな中、風邪を引いても出てきた上司にうつされて高熱が出て約6日ほど休んでしまったのだが『体調管理が出来てない』など散々な言われよう。
先月に一番かわいがってくれていた祖母が亡くなったのもあり大分追い詰められていた私。
その後も日勤からの間違った申し送りで不具合が起きて私が始末書。申し送った職員はお咎めなし。
組んでいた別の職員が不適切な介護を行い、それについて『組んでいたのだから気づくべきだったのでは』と連名の始末書。
もうこれは精神的にも肉体的にも限界だと退職の意向を伝えるが『今が踏ん張り時だよ。みんなで一丸となって頑張るんだ!!』と止められ、その後も話し合いに応じて貰えず。
そして決定的な事件が起きた。
夜勤後にある大切な物品が紛失。最終的には見つかるのだが……
『茶葉君がうっかり持って行って置き忘れたんだよね』
私はメモ魔なのでそれを見せて自分ではないと主張するが『そうかもしれないけど君で無いならもっと大掛かりに皆に話を聞く必要があるんだけどなぁ』
要するに私が犯人という事で報告書を書けという事だ。
はっきり言って、『もう無理』となった。
とは言え、退職の話をしても退職願を書かせてもらえない。
私が取った最終手段は話題の『退職代行』であった。
要するに代行会社が退職の旨を会社に伝えるというもの。
そんなの自分でしろよという人もいるだろう。
だがブラック会社などだと退職の話をしたら恫喝されたりして言い出せずずるずるとというパターンもある。
退職代行にもピンからキリまであるのだが私は様々な事を想定して値段は高いが弁護士の在籍している退職代行を選んだ。
というのも退職の話をした際に『ウチは2か月前に言わないとダメ』とか『年休消化も時期をずらしてもらわないと』『君のわがままでみんなに迷惑をかけるよ』とか言われていた。
こんな感じなので事務所も危険と感じたので『有給消化の交渉』、そして『退職金の交渉』をお願いしたかったからだ。
正直結構かかったがそれでも後のトラブルを考えて台風が来る中色々と動いて依頼をした。
今日の昼頃から上司から『話し合いをしたい』というショートメールが届きまくるが無視。全ての交渉は弁護士にお願いしている。
後の問題は家の場所が大体割れているので突撃されないか、だ。
とりあえずしばらくの間日中は籠り、買い物は夜などにこっそり行こうと考えている。
買い物の場所も家からそこそこ離れた所へ行くことに。
ちなみに私が抜ける事で色々なバランスが崩れるのも理解していた。
今月末で既に3名が退職確定しており、そこに私が加わった。
更に私が辞めるなら自分も辞めると言っている人が2名いる。
実際に辞めるとなると短期間で5名抜ける。
恐らく職場は混乱中だが私自身限界だった。
会社が私の人生を保証してくれるわけではない。身体を壊したり精神を病んで働けなくなれば降格や解雇が待っているのだったら壊れる前に逃げるしか無かった……