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2t(ツーティ)  作者: 内平しげ美
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第1話.full brake

第1話.full brake



俺は酷く疲れていた。

テレワークが流行っている中、出社することに意義があるという上層部の老害さんたちがあえて出社を勧奨し逆張りをするわけわからん意見がまかり通る会社に勤めている。

SEなんだが、むしろテレワークを率先してやる業種だと思うけど、そうにはならなかった…。


で、今はデスマーチ中で、ようやく家に帰ることができそうだ。


休憩も取らず、思考を絶やすことなくパソコンの画面を見続けて作業をしていると、ふとした瞬間にどっと疲れが出てくる。

帰りの道では、酒に酔っていないのに酔っているかのようにフラフラになってしまう。

また、思考もなるべくしたくなくなるというか、ほっといてくれどうにでもなりやがれ、もっと疲れている時には全部無くなってしまえ…みたいになる。


コンビニに寄って晩飯を買う。

体への負担が低そうなかき揚げ蕎麦をチョイス。まぁコンビニって時点でどうかと思うが…。


今日も結構フラフラで、どうにでもなりやがれ状態で、寒空の中、時折見える星を眺めながら歩いていた…。


横断歩道を渡ろうとして瞬間!!


トラックが突っ込んできた!!


体が宙に舞うのが分かった…。

その後、思い切り叩きつけられる感覚と共に

「おい…まて、トラックの音聞こえてなかったぞ…。」

とおそらく小声で発した後、意識を失った…。






一方、トラック側は…

「あいつフラフラしてんな…、ちょっと徐行しよう…」

!?ッ

「なっ!?まっ!!歩道に飛び出っ…!?」


先ほどの男は歩道に小走りして飛び込んできていたのだ…。


トラックは急ハンドルを切りながらフルブレーキしたため横転した…。


「ちょっと待ってくれよ…新車だぜ?オイル交換もしたばっかり、燃料も満タンだ…いろいろヤバそうだろ…」


横転したためハンドルのエアバッグの効果が薄く、側頭部を打ち付けたようで、そのまま意識が飛んでしまった…。





痛てて…

どうやら、無事ではあるようだ…

というか、夢の中にいる感覚だ。


声が聞こえる…。


夢の中にいる感覚から目が覚めた感覚に変わった。

が、現実感のない空間だ…。


声が聞こえてきた

「目が覚めましたね…、残念ながらあなたは死にました。

けど、あまりにも不憫ですから、違う世界で活躍できるようにしましょう。

あなたのスペックなら、特別な力を授けなくても何とかなりますよ。」


「!!?どういうことだ!?」

と、こちらのリアクションを完全無視のまま、まばゆい光があたりを包んで、再び意識を失った…。



目が覚めた…。

あたりを見渡すと草原だ…。

昨日の出来事を整理した…。

あたりにあるものを観察しても地球の物とも少し違う…。

結論が出た…異世界転生というやつだ…。



その時、木陰で物音がした!


「誰だ!?」


ガタガタと震えながら身構えている少女が出てきた、年の頃は中学生くらいだろうか…。

革製のオーバーオールとゴーグルを首に下げている。


少女は

「○▽**※??」

全く言語が分からない。

警戒しながら遠巻きに自分を観察しているようだ。



先ほど異世界転生と結論付けた通り、自分が異世界に来たら驚かれるのも十分納得している。



そう、何を隠そう



俺は、日田自動車の2t(トン)トラック


ヒダノニトンなのだ。

この1話で出し切った感はありますが、面白い展開を考えていきます。


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