Aliceと進む、最前線!
「......わかってる?私とあなたは仕方なくコンビを組むんだから、足を引っ張ったら承知しないからね!」
「言われなくても分かってますとも」
目の前のフードのせいでこんな状態になっていることを嘆きつつ、俺は続きの話を聞くことにした。
「...で、なんだよ。
お前は言うほど強いのか?」
そういうと、フードは胸を張って(と言ってもほとんどなかったが)言う。
「ふふ、聞いて驚くがいいわ!
私のレベルは―――16よ!」
「...あっそ」
俺の反応が詰まらなかったのか、彼女はさらに続ける。
「...ふふん、自分がもっと低くて強がってるのね。可哀s―――」
「いや、俺は21だから」
「...フーン」
そう言いながら、フードは俺のウィンドウを覗いてくる。
「―――本当に21lv,あるのね。
ただ強がってるだけだと思っていたけど...」
「な訳無いだろ、俺は強がりと無理なことは言わねえよ」
「ほんとかなー...。」
どうやら、さっきの件もあってか俺の信用は無いらしい、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「そろそろ作り終わったかな?なら、さっそく出発しよう!」
突然のその声に、俺は今何をしていたのかを思い出した。
どうやら、このフード女のペースに飲まれていたようだ。
「じゃあ、私は君の部下ってことで」
「...はい?」
「よろしく!」
「ちょ、勝手に話を―――」
ピロン《Alice がチームに加入しました》
俺に主導権は無いらしい。
そればかりは如何ともしがたいが、
「―――代わりに、お前は俺の命令に絶対遵守だからな」
「それでいいのなら」
ピロン《Alice がフレンドに追加されました》
「おい!?」
「私は何もしてないよー?」
目を泳がせている為に嘘だとは分かるが、問い詰めるのは俺の性に合わないので、聞かなかったことにしておこう。
「出発だー!」
...どうやら、俺には運と言う者が全くないらしい。
転生した騎士、とかの能力だったが、転生前はとんでもない奴だったのだろう。
そうおもい、俺は仕方なくその声に従うのだった。