桜地 斉太の狂哭
『.........!?』
「―――もう一度言わなければ理解できないのだろうか?
この世界の君たちは―――」
「......なんでだよ」
何処からか、その後悔とも悲鳴ともとれる声が聞こえた直後、プレイヤーの怒りは爆発した。
その怒りとも悲鳴ともとれる声の中には高音の女子のような声も混じっていて、このゲームが色々な人に期待されているものだと理解できた。
だが、そんな思いを踏みにじるような声は、何処からか聞こえてきた。
「なんで...か。
私にも、そのような時期があったよ。
だが、大人にはそれを貫徹するような心が無ければ生きていけないこともあるのだよ」
そこにいたプレイヤーたちの殆どは絶望した。
だが、一部の無能は―――
「へっ、どうせ俺達に強制力を持ってねえんだろ?だからあんなこと言うんだ。
―――ほら、ログアウトできる。
ログアウト―――ギャーッ!?
の、のどが…っっっ......」
この様に、ログアウトしようとして肉体を硬直させた後、いきたえた。
「―――先ほども言ったように、私の世界から不法なやり方で脱出しようとする者は、この様にしばらくの間仮死状態になってもらう。
......これが3日たってもクリアされていない場合、その者は―――死ぬ。
これが、命を懸けて戦ってもらうと言った理由だ。
それでは、これよりこのDoomsday Knightsを開始する!
クリア条件は、どこかにいる私を倒すことだ!」
彼がそう言い終わった直後、俺の耳には彼の悲しそうな声が聞こえた。
「...はあ。
私も、彼のようになってしまうのか。
まあ、良いだろう。死なないのだからな。
桜地 斉太は死に、氷華 斉太が残る。
―――威亜。君は、私の事を良く知らないだろう。だが、私は君を知っている。
何故なら―――」
その悲しげな独白の続きは、
「旦那!急いでいくぞ!」
と言うダグラスの大声によって完全にかき消された。
「次に目指すのはやっぱりⅠ層の守護塔だよな!どっちにあるんだ?」
「...3時門から出て左側に軽く曲がって進む。以上だ」
「ありがてえ!じゃ、早速行くか!なあ、旦那!」
「......ああ」
「元気が無いのか?残念だ」
軽く引っ張られるようにして3時門に進んでいく俺たち。
俺は、そんなダグラスの強さが少しだけ嬉しかった―――。