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Cardinal Online  作者: ia
日常編
69/105

寝ぼけた朝

「...ちょっと」

「......。」

「何かいう事は無いの?」

「...こんなんでいいのか、俺は」

「わかんないよ。でも、威亜はやっぱり今まで通りの感じが良いかな?」

「...マジかよ」

「マジだよっ!」

「こういう時に限ってかわい子ぶるなよ」

「ふふん、私が可愛い事をようやく思い出してくれたかな?」


倒れてからようやく話せるようになったのだが、結局俺達の関係は変わらない。

ただし、鈴が言うほど鈴は可愛い。

...まあ、それを認めてしまってはさらに鈴が助長されるのが目に見えている為、言わないが。



―――



「...ねみい」

「全く、誰のせいなのかなあ、ボクは知りたいんだけど」

「ほ、本当に誰なのだろうなあ、私も知りたいよ」

「父さんが原因でしょっ!」


2041年、8月15日。

俺は、一切眠れなかった。


正しく言えば寝れたのだが、脳が休まらなかった。

そのために眠いのが続いており、いまが8時だということを信じたくない。

ただし、それを信じなければ鈴に叱られるのが目に見えており、眠気を払いつつ居間に向かう。



―――



そこには、まだ誰もいなかった。

こんな時間まで寝ているな、と自分の事を棚においてそのようなことを考えると、皆を起こそうとする。


と、居間の一角で動くものを目にとらえた。

それは、「由紀ちゃん...それ以上は食べられないよお...。」と食いしん坊発言をする鈴だった。


軽く呆れつつも、そんなところが鈴らしい。



―――



「...あれ?なんだか眠いなあ...。」

「おお、起きたか。今威亜が朝食を作っている、待っていればいいのだよ」


鈴は、起きるなり氷華 斉太に―――いや、コイツと言ってもいいほどの奴に話しかけられたようだ。

その声が、5㎝程居間より低く作られたこのキッチンに聞こえる。


キッチンとは言うが、俺の左後ろにはテーブルがあり、少しの人なら食えるようになっていた。

その為、キッチンと少人数用のテーブルがある―――他の部屋に行き来するときに殆ど通らなければならない場所だ。



それにしても、アイツはずいぶんと適当なことを言ってくれるな、と思った。

実際作っているのだから文句は言わないが。



―――



「...まだ寝てんのかよ」

居間にいたのは、ほとんど全員―――優と由紀を除いた面々だった。


俺が起きた時には全然起きていたはずだから、二度寝したのだろうか。

だが、此処にいない二人の事を考えるよりも、実際に見に行った方が早いと判断した俺は、キッチン兼食器置き―――いや、食器などが乱雑に置かれた家具の横を通り、この家の右側の部屋に行こうとし―――。



―――



『初めまして、か。

俺の事を知っているかい?』

頭の中に響くようなその声に、俺は驚きを隠せなかった。


さっきここを通った時はこんな声はしなかったのに、なぜ今は声が聞こえるのだろう?

その考えが聞こえたのかもしれない。


謎の声は俺に話しかける。

まるで、忘れられた過去を面白がるように。


『俺の名前はヴァル。君にとっては二回目の、人間を生かす為の装置みたいなものさ』

と、その過去を懐かしみながら。



―――



「...あんた、なんでいんだよ」

『いやあ、俺が元居た俺達の世界からこっちの世界に来た奴が二人・・いるみたいだから、二人の形跡を辿ったらここに着いたってわけだよ』

「...話伝わらねえな、コイツ」


5分前に二人を起こしに行った時、コイツ―――さっきの声の正体である、ヴァルとかいう男もともについてきた。


―――いや、正しく言えばコイツは実際の肉体がこの世界には無いらしく、アイツがいつぞやに作ったクローンとかいうやつに憑依?しながらしゃべっていたらしい。

しかも、さっきの意志を持った声を特定の条件を満たす者に伝えられるらしい。


『まあ、伝えられるのは銀髪の奴かこの家に潜んでいることが気付かれていない、茶髪の男だけだけどね』


...本当に心を読む力があるのかもしれない。

『まあ、実際にこちら側から出た奴は分かっちゃうんだよね。

...ここにいる奴ら以外は分からないけども』


心を読む力が本当にあるとは信じられないまま、俺達は居間に向かう。


因みに、二人はヴァルに気絶させられた後、ヴァルの両肩に担がれている。

時々うめき声をあげるのが実に生々しい。

因みに、これまで出てきたキャラクターの中で銀髪なのは威亜、藍理栖、鈴、弓です。

氷華斉太は昔銀髪と書いていましたが、実際はあの世界で銀髪にしていただけで髪色はストレスばかりあるのか白髪です。

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