最悪のオープニングイベント
『今より、オープニングイベントを開始いたします。
セントラル中央広場への強制転移となっておりますので、ご了承ください。
では、これより、オープニングイベントを開始します』
と言う合成ボイスと共に俺達はβの時の開始場所でもあるセントラル中央広場に集められていた。
周りを見渡すと、同じように集められた約15000人の初期購入のプレイヤーのアバターが同じように周りを見渡しているのが目にとれた。
隣を見ると、ダグラスの周りより一つ抜け出た姿が際立ったが、皆はそのようなことを気にせず、これから始まるであろうオープニングイベントに意識を集中させていた。
『それでは、開始の号令を、プログラマー・桜地 斉太様、宜しくお願い致します』
【ええ。では、これより、私、桜地 斉太より、開始の合図を言いたいところでございますが、その前に、一つよろしいでしょうか?】
ざわざわとする広場。
それをよしとしたのか、彼は続ける。
【よろしいようですね。
では、まず初めに、言わせていただきたいことが】
【追加し忘れていたのですが、皆様のHPバーの横に新たな記載があるかと思われますので、まずはそれをご覧いただいた後にアイテム欄の一番上にあるアイテムを使用していただかれれば幸いです】
皆はウィンドウに齧りつく。
...まあ、俺も同じ事をしているから、本当にそうなのかは定かではないが。
俺のステータスの右上、HPバーの下に小さく記された〔Reincarnation Knight〕の文字に、俺は指を動かす。
<Reincarnation Knight>
〔転生せし異世界の英雄は、その記憶を失いて新たに生を受けん。
特殊能力:MP+980,000〕
此のDoomsday Knightsにおいては何の役にも立たなさそうな能力だ。
そう思い、俺はその上の説明を見逃した。
―――その言葉が、俺の身の上を記したものとは知らずに。
【ステータスのご確認が終了為されたようで御座いますので、次にアイテムをご使用いただきます。
―――これを知れば、君たちは後戻りできない。散ることもやむなしと思ってくれたまえ】
最後の言葉に違和感―――もとい、いつもの感じを感じると、俺は自然にアイテム欄を開き、碌に確認も行わずに使用した。
そこに写っていたのは―――
この世界の顔とはおよそ似付かない、要は現実世界の俺の顔が映っていた。
その女にも見間違えられる、忌避してやまない顔に、俺は絶句していた。
「では、これより私の宣言を開始する。
このゲームは今より、電子の檻となって構成された。
抜け出したくば、私を打ち倒すがいい。
それに加えて―――」
「君たちには、命を懸けた戦闘をしていただこうか」