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Cardinal Online  作者: ia
Gun Rebellion編
56/105

猫(大嘘)

「へえ、旦那の大舞台、ねえ。

...鈴、繋いでくれ」

「毎度、伯父さん」

「...鈴、俺に悪く影響されちまったか?」

「いや、姉さんはもともとあんな感じです。Destiny Planであの世界を作ってからは更に酷くなりましたが」

「弓、お前は変わらないんだな」

「良くも悪くも僕の変化は少ないですから」


そんな事を言いつつも、弓は心の中でこう考えていた。

(なぜダグラス伯父さんがここにいるのだろう?)


その理由が、「旦那の試合を見てみてえな...。」と言う彼が言ったその一言に集約されていることなど、弓―――スカルアロウには気付けなかった。



―――



「さて、と。なんだかんだで2時間か。残りは...7人。まあまあだな」

俺はなんだかんだで長く戦い続けてきたこともあり、疲れ果てていた。


あの荒野の後もちょくちょく俺の許には敵が現れた。

そして、その悉くは俺に、もしくは俺を狙っていたほかのプレイヤーに誤射されて倒された。

倒した数は17(+ベルとスカルアロウで19)。


それが、俺だ。



俺は、疲れていたためにステータスを開く。


そこで変わったものと言えば、プレイヤーウィンドウに倒したプレイヤーの数が書かれるようになったことだ。


残っているのは俺、氷華 斉太(ゲイルブロウ)、スノウアレイ、往々、グロウ、グレア、そして優《<V>》だ。


その中でも特に多いのが俺と氷華 斉太で、15人以上だ。

他の者も往々と言うやつを除けば2人ほど。


...俺達の倒した数がおかしいのだろうか。



―――



「...減ったな」

俺は荒廃した土地に建ったビルに座して待っていた。

いや、狙撃点に来た者を撃てるようにして居たまま待っていたのだが。


特殊能力を利用―――いや、悪用したそのシステムで俺は左腕を指掛けたままステータスを見ていた。

どうやら近くに敵はいなさそうだが、ほかの人たちも相手がいないのなら自分で動くだろう。


そう思いながらステータスを見ていると―――。



突然、銃声が鳴り響いた。

そして、俺の身体はその反動で吹っ飛んだ。



―――



「そういえば、自動的に撃てるようにしてたな...。」

俺は、その音が自分を主因とするものだと気付くのに7秒程度を費やした。


先程も説明した様に、あれは無意識で撃てるようにしていた。

その為、俺がやったのだという自覚を持つために時間を使ったのだ。



ステータスを見ると、往々と言うやつが死んでいた。

どうやら、今引っかかったのは往々サンらしい。

それは、彼の死因である〔Iaの狙撃により死亡 順位:7位〕からも分かる。



―――



残り六人となったわけだが、突然そのうちの一人が消えた。

スノウアレイ?と読むのであろうプレイヤーは、どうやら優に接近戦を持ち込んだらしいのだが...。


―――それで優が勝ったようだった。

優は近接戦もできるのだろうか?それならば俺も負ける可能性があるかもしれない。


そうも思ったが、そのよううなことがあって堪る物か。

そうなってしまえば、俺はもう二度とVR世界には顔を出さない―――いや、出せないだろう。


そのSnow Aleyが負けた理由が、優に会いに来てそのまま倒されてしまった、と言うことなどこの段階の俺には知る由もなかった。



―――



―――某呟きサイトにて


『VR世界にもついに大会形式の試合が登場!

この熱き狙撃戦を見逃すな!』より


〔最近VRMMOをお手軽に作成できると話題のDestiny Planにて、ついにVR世界の大会が初めて開かれた。

本戦は本日開催、この機を見逃すな!

※某動画配信サービスアプリに配信中〕


・そもそもそういう世界なんて危険なんじゃないの?

↑・そもそも危険だったのは何とかナイツだけで、この世界は危険じゃありません。

後、何とかナイツに入っていた兄も無事に帰還したので、あれが危険だって言うのも多分嘘です。

 ↑・何言ってんだコイツ。

・もともとこんな話なんて面倒臭いだけだし、話すのもダリいわ。お休みー。


☆管理人コメントだよ♪☆

この世界の許の形は確かにDoomsday Knightsで、設定もグラフィックも似たようなものですが、それはあの世界の下位互換であるDestiny Planからドゥームデイレベルにしたのだから、危険性はありません。

このコメントからVRの安全性を広めていければと思っております。

管理人 BELL.


※この後も沢山の議論が続く



―――



「さて...全然堕ちなくなったな。

...っと!」

俺は廃ビルから離れた場所を歩いていた。

ちょくちょく俺を狙った銃弾(恐らくスナイパーライフルのもの)が飛んでくるのだが、俺には当たらない―――と言うより、そもそもとして狙撃手の腕が悪いのか分からないが、俺の近くには当たるが、それだけで特に危険性は無かった。


それでもイライラしてきて、俺は立ち止った。


そして、弾の飛んでくる方向を見ることにした。


すると、俺がいた廃ビルから飛んでくるのが見えた。

どうやら俺は割と危なかった―――いや、逆に倒せたかもしれなかったことを考えると、もったいない事をしたな、と思ったのだが―――。


不意に、その銃弾が飛んでこなくなり、不審に思った俺はステータスウィンドウを開くことにする。


すると、グロウ、と言うプレイヤーとグレア、と言うプレイヤーが死亡したようだった。


死因はそろって〔(相手の名前)による斬撃〕だった。


この世界は現実のように相打ちシステムは存在しない為、同時に斬りつけたことになる。

...まさか、あの二人ではないのだろうか。


―――ありえないと思った俺は、残り俺を含め3人の戦場で残りの二人を探しに行った。



―――この3人の組み合わせは、約5年前からずっとあったものだと気付くのは、もっと先の事である。


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