Doomsday Knights事件ー3
「お...ッらあ!」
「ピィィエエェ!?」
「お見事、ダグラス」
クエストモンスター、<ホークバード>を討伐した俺達。
実際には俺が7割ほど削ったのだが、ダグラスが攻撃しなくては元も子もない為にダグラスに攻撃してもらったところ、一発でB.E.が発動できていた。
天才だな、と思いつつ、俺のレベルが1から4に上がった事を伝えるウィンドウを閉じ、パーティメンバーのダグラスのレベルが3になっていることを確認すると、目的地である山小屋に向かった。
遡る事30分。
山小屋に着いた俺達は、巨大な鷹に困らせられている老人にクエストを受注され、受領していた。
これのクリア内容がとてもいい為に入ったのだが―――
「おお!旦那、武器が選べるぜ!」
「今使っている武器を使えば、もっと強くして差し上げますが?」
「おお!有難え、頼む!」
「そちらの御仁は...」
「...ああ、すまない。俺のも頼む」
「それでは、少しお時間いただきます。今回は、あの鷹を倒していただきありがとうございました」
その一声と共に、クエストがクリアされましたと言う声とクリア金の3900ケイ、そしてレベルが12に上がりましたと言うとんでもないステータスアップが行われた。
「......旦那、まさか」
「そうだ。これが俺がこっちに来た理由、ステータスのスタートダッシュだ」
「おお!旦那、これからもついてくぜ!」
「ついてこなくていい!だが、お前はほかには何のスキルを取るんだ?」
「勿論鍛冶だ!あの爺さんみたいに夢を届けてえからな!」
「...だったら、俺の武器が悪くなった時はお前の店に行くから、そん時は頼むぞ」
「ああ!」
「御二方、できましたよ」
「「早え!?」」
一瞬で完成した新たな武器。
ダグラスの武器は《ミスリルアックス》に。
俺の武器は《ターミナル=ファング》になっていた。
―――
「これからも頼むぜ、旦那!」
「ああ。ところで、まだ5時半だが何かあるのか?」
「ちっちぇえ時からのダチが俺の店に来るからな!最大限にもてなす為に、1時間前から仕入れとくんだよ!」
「いい友達なんだな、ソイツ」
「まあ、まだ俺がメキシコにいた時からの友達だからな」
「マジかよ」
午後5時25分。
コイツの出身地と言う割と個人情報に関わる話を聞かされた俺は、この時間中に何が出来るかを考えていた。
どうせログアウトしても暇なだけだ、10時まで―――いや、せめて夕食までにはログアウトを―――
そんな事を考えていた矢先。
「...。...、おい、旦那!?たいへんだ!」
そんな切羽詰まったダグラスの声を聴いて、俺は我に返る。
「ダグラス?もうログアウトするんじゃなかったのかよ」
「そうだけどよ!...ログアウトできねえんだよ‼」
「嘘だろ。ログアウトのボタンを見損ねたんじゃないのか?」
そういい、俺はログアウトボタンをタップして、》Yes 》No のボタンの》Yes をタップするが―――
「...嘘だろ?」
そこには、<現在、ログアウト不可状態となっております。5時30分のオープニングイベントまでお待ちください>という、アナウンスが流れた。
「......ダグラス、もう少しで始まるイベントまで抜けれないだけだってよ」
「...おお。悪い、俺の見損なっただけだったみてえだ」
「まったく、気をつけろよ。死んでレベル下がっても手伝わねえからな」
「そん時は脛にかじりつくからな、覚悟しろよ?」
「不吉だな」
そんな会話も、3分後には千切れていくのだった。