Ice gun and Sharp sword
俺の首には、また痣が付いた。
大きな爪の甲の表面を押し付けたような形になっていて、俺の首はVR世界が主因の徴が多い。
そんな生活には、以前と変わった点が一つ―――いや、二つある。
一つは柚が高校生に上がり、なんだか生き生きしていること。
もう一つは―――
「...で?ユーザー数によって金額を引き上げるってのはうまくいったのか?」
「勿論だ。そうでもしないと、多くなっちまったとこは金ばっか多くなるからな。
...上手くいったぞ。さすがは旦那だ」
氷華 斉太の作った《Destiny Plan》。
其の世界で、今特に人気のある物があった。
俺はいつの間にか作られていたのを見たが、正直楽しめない、と思った。
銃がベースになっている、と言う物だ。
剣一筋で生きてきた俺にとっては、銃など思いもよらぬ存在だ。
一応剣もあるそうだが、銃に比べてその量は少ない。いや、寧ろ銃が多すぎるだけだが...。
それが、Gun Rebellionと言う物だ。
―――
私に用意されたような世界が、そこにはあった。
そこには、父さんの暗い影などない。
まあ、殺意、と言う点ではそれに近いのかもしれないのだけど...。
そんな雑念を払うようにして、中央街<ノイン>の、中心にほど近い家のドアを開ける。
今日も、私は過去の時代の副産物である大きく中央がへこんだ地下旧都市に入る。
地下旧都市、《ヴァルカニア》。
中央の大きくへこんだ場所には昔王宮があったらしいけど、何か途轍もない質量を持つ物が落ちてきたらしい。
その為、大きくへこんでいた。
のだけど...。
「ハア...。
こうも大量に固まってると、もう凹みなんて実質ない物ねえ...。」
その凹みを求めて集まる亀のような見た目の要塞型機甲亀城型機甲兵がその凹みを埋めたて、もう隙間が無かった。
こんなに集まると、普通の人なら絶望するだろう。
でも、私は倒し方を知っていた。
私は、たった一発の豆鉄砲を放った。
それだけで、そこには何も残っていなかった。
この亀の弱点は、異物が動くと無差別に攻撃を行うことだ。
そして、近くの亀が動くとほかの亀が亀を誤爆する。
その方法で、この亀を倒していた。
私は、何か光ったものがあったと思って、全力でそこを離れていた。
次の瞬間、私がさっきいたところの近くにあった木が私の真横に飛んできた。
それに伴って、《機甲師亀長・グレイタス=ゴーレム・キャッスル》と言う名前が遠くの方―――場所で言うと、さっき光が出たところの方に置かれた。
その後は、よく覚えていない。
気付けば30分経っていて、近くにもう一人の男の人がいた。
「...大丈夫か?これ、アンタのだろ」
「え?いや、私の物じゃないけど...。」
「そうか?じゃあ、俺がもらってくぞ」
そう言った男の人は、すぐにいなくなった。
でも、いつかその男の人に会えると思った。
その人が、私にある女の子を引きつけたのだけれど、ね。