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Cardinal Online  作者: ia
Doomsday Knights編
23/105

イアの想い

「......帰るか」

「...ズルいよね、イア」

これ以上、この空気に居たら俺はおかしくなってしまうだろう。


こうして、鉄楼団主催、クリスマスパーティは終焉を迎えた。

まあ、俺の戦いはまだまだ続くのだが...。



「...忘れてた。返すものがある」

「返すもの?」

ようやく平常運転モードに戻ったベルに、俺は進化したあれ(・・)を渡した。


「わあ...!」

「よかった。クリスマス・プレゼントのようなものだ。これからはパートナーとして頼むぞ」

「勿論ッ!ありがとっ、イア!愛してる!」

「...そうか」

俺は嬉しかった。

俺が用意したものに、これだけ喜んでくれるとは思っていなかったのである。


俺が用意した物とは、ベルが遺した...と思っていた片手剣、《ウィンド=エタニティ》の進化系である《エターナル=ゲイル》だ。

作ってくれたのは、《ターミナル=ファング》を今使っている《ターミナル=バルク》を作成してくれた男、ダグラスだ。

左側の柄は無く、その分右側の柄は盛り上がっている。

鞘は疾風の名の通りに風の形を模した紋様を添え、先端には赤い宝石が光っている。



「えへへ、私ね、こんないいもの貰ったの初めて!イア、私ね、ちょっとしたい事が…。」

何だろう。ベルの言うことだ、何か悪いことに違いない。


「...イア。

ずっと一緒に居たいなあ」

「当たり前だろ、お前が俺の監視をし続ける限り、俺とお前は同じところにいるぞ」

そういうと、ベルは軽く泣いていた。


「べ、ベル!?なんで泣いてるんだ!?」

おろおろする俺。それが余程おかしかったのか、笑うベル。

そのことで、俺はベルがよく分からなくなった。


「ふふ、いいよ。イアが鈍感なのは今に始まった事じゃないし」

「鈍感とは何だ、鈍感とは」

「否定はできないんじゃない?「うぐ」ほらね。でもさ、私...」


「いつか、イアを私の事しか考えられなくしてやるんだからね」

「...!」

ベルの突然の言葉に、俺は何も言えなくなる。

ベルは、今まで以上に輝いて見えた。


「...馬鹿なことを言うな。今はお前に答えを言う事は無い」

「フフフ、今は、ね。言質とったからね。そうだなあ、ⅠⅭ層がクリアできたら教えてもらうからね」

今すぐにでもその答えを言いたい、と言う気持ちを呑み込んで俺が苦し紛れに言った言葉のおかげで、俺はさらに自分の首を絞めることとなった。


だが、まあ。

後回しでも悪くはないだろう。

ベルと共にいられるのならば、俺はきっと何でもできるのだろう。

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