ベルの心
また短いですが、プラスで話があります。
<Possession KnightーIa>。
それが、俺のステータスに表記されるようになった、新しい名だった。
俺がⅬⅩⅩⅡ層ボスとなり、ボスの方が封印されているからこそ俺は生きているものの、いつまたボスに戻るかは分からない。
それが、アリスを除くほとんどすべての攻略組の感想だった。
そうすると、ヴァイテルのような中立の奴らはそっちに流されてしまう。
そうして、序でに家がないということも相まって、俺の家には今ベルがいる。
本人に言わせてみれば違う理由があるらしいが、俺にはその理由が分からない。
そんな状況だからこそ、俺は何とか自由に動ける。
ベルが付いてくるものの、ベルはあくまでも俺の監視な為、そしてアイツの意志で俺を自由にさせてくれる。まあ、勿論ベル付きで。
「...ベル、抱きつくのをやめてくれないか」
「やだ、私、イアが大好きだから!」
どこまで本気なのだろうか。
そのような感想を抱きながら、今日も俺はベルに巻き込まれながら過ごす。
―――だから、俺がこの後そんなベルに心惹かれるなど、分かる筈がなかった。
いや、もう心惹かれていたのだろうが。
 




