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Cardinal Online  作者: ia
Doomsday Knights編
13/105

孤狼

ベルが消えてから、約半年が経った。

俺は、亡霊のように最前線にいたが、フードをしていたことと、攻略会議の内容をダグラスからまた聞きしていた事が幸いし、俺の存在は段々と忘れられていった。

たまに、ベルを見た気がしたが、それはきっと、俺の幻覚だろう。

―――俺達が突撃しなければ、彼女は死ぬことなどなかったのに。



そして、今日も俺は最前線で鎖頭巾コイフと布製のモンスタードロップ品の壊れないフードを被り、俺はまたここにいた。

Ⅴ層、最上階。

俺は、惜しげもなく最前線のⅬⅢ層で出るようになった場所固定型転移結晶を使ってきていた。

そして、毎週花束を届けることにしていた。


「ベル、俺は69lv,になったよ。

...お前が居れば、俺はどうなってたんだろうな。

もう、分からないけどな。

......そのうち、また来る。じゃあな」


花束は5日で耐久値が消滅する。

それでも、俺は惜しげもなく花を買っては届けていた。





―――

「すみません、『孤狼』さんですよね?」

「......ああ。どうしたんだ?」

「あの...フレンドに―――」

「断る」

「なって...。え?な、何でですか?」

「...お前には関係ない話だ。

分かったら、さっさと消えろ」


俺は、毎日来ているこの女に辟易していた。


俺は、仲が良くなった奴が消えるのではないか、と思い続けていた。

―――ベルのように。



「分かりました」

ようやくいなくなってくれる、とため息を吐いた、次の瞬間。


「じゃあ、私があなたに付きまといます」

「......はあ。仕方ねえな」

「ありがとうございます!

宜しくお願いします!」


結局、コイツも死ぬんだな、と思いつつ、俺は。



「へえ、イアさんって昔は攻略組だったんですね!」

「...今も現役だぞ」

「えー、そんな様子無いじゃないですか!」

「基本は行かずに守護塔攻略の時だけ行くんだよ」

「へえ。私も頑張ればいけますか?」

「ダメだっ‼」


俺の突然の大声にビビってしまった様子の少女―――グテル。


「...なんでですか?」

「......俺はな、昔突っ走って仲間を殺してしまったんだ。

だから、お前が何といっても俺はお前が最前線に行くことを認めない」

「えーー...」

「だが」


俺は表情を柔らかくして伝える。

「...俺の友の所で修行して、それでもまだ行きたいのなら、俺はその時に連れて行ってやろう」


それだけで、彼女はピシッとなった。

それを苦笑交じりに見やると、俺はⅬⅠ層のある店に、グテルと共に足を運ぶのだった。

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