真章PART14『さらなる未来』
実は前回で100投稿だったらしいですね。
後、投稿ペースが変更されるかもしれないです(今更)。
特に何があるというわけでもなく、時間が過ぎていった。
Ⅽ層を超えてからなんだかんだで4年。
特に変化のない日常は以上に流れる速さが長い為に、こんなに時間が流れていても一瞬に感じる。
実際に一瞬であるのだから訳ないのだが、感覚としてはもうなんだかんだで6年半もたつのだ。
ここまでくるとなると、死ぬことがないという事象が干渉したのか侵攻スピードが落ちてくる。
このままいてもいいのではないのか、という心が出てきてしまうのだ。
本当にそれでいいのか、と自問しても俺の答えは『横の奴がいるから良いだろ』に落ち着いてしまう。
それほどに―――。
「...?なんだか今日は楽しそうな感じ?」
「...いや、今日も変わらないなと思ってな」
―――由紀との日々が日常と化していた。
―――
何年たっても進むのが遅くなってきたこの頃。
現在はⅭⅩⅩⅩ層まで来ているのだが、如何せんプレイヤーが少なくなっていた。
現在残っているのは約8万人中1万人ほどだった。
既にⅭⅠ層を除いたⅭⅩ層までは崩壊し、ここにいる少数派は3割近くが攻略組だという事実があるなど、俺達の戦闘が際立っていた。
―――因みに、その者たちの殆どは非戦闘スキルを持ち合わせていない。
そこら辺の石を叩いて<石工>でも取ればいいのに、と考えてしまうのはなぜなのだろうか?
―――
―――あれから、何年もたった。
斉太曰くまだ開始から12年ほどしかたっていないようだが、これが現実世界準拠なのなら俺達はバリバリ働いていなければいけないことになる。
...由紀は働いていると言えばそうなるが。
ともかくとして、俺達はまだまだ下層にいるのかと言うと―――そういうわけではなかった。
現在最上層、守護塔30階。
ボス部屋にいた。
戦闘開始からは大して時間が経っていないが、なんとなくこのフロアだけは時間がそのままに感じられた。
『暫くの休息』が欲しいものだが、アイツの事だからそんなものは考えていないだろう。
寧ろ、デスティニー・プランに救っている奴らを連れてくる、とかそういうのがありそうだと思った。
敵と言うものは存在しない。
ただただ、“無”が広がっているのだから。
俺達には、無から有を作り出す力はない。
だから、実質これで終わりなのだ。
―――いや、そうではないのかもしれない。
無から生まれた有の存在があるのだから―――。
そう思い、その核龍を見ると心外そうな顔で見つめ返してきた。
流石に言われることが分かっているようだが、なればなおさらその背中を蹴り飛ばすことが必要だ。
―――それで、バロンが消えるのだとしても。
―――
「グオオォォッッッ!?貴様、何をする!?」
「我慢しろ、バロン」
「グガアァァッッ!?」
心にもない謝罪をし、また一本龍状態のバロンに<鉄工>スキルで作成した鉄の楔を打ち込む。
そして、下に書かれていた〈生贄〉の魔法陣にその肉体を接触させると、そこに一筋の血―――もとい、ダメージエフェクトを散らす。
「ガウウゥゥッ!?」
本当に悪い事をしたと思いながら、バロンの肉体が消滅したのを見届けると、やはりそこに新しい敵が現れたのを見咎め、俺達は気を引き入れ直した。




