表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/99

ランタナのこと・3

○●○3○●○


 アークはすぐさまランタナの部屋へ行くと、詰め寄って問いただしました。

「皇帝に薬物を飲ませたのか?」

 ランタナはニヤリと笑います。

「栄養剤を入れたワインを酌み交わしただけですわ」

「栄養剤……?酌み交わした……?薬物をワインに入れて飲ませたの間違いじゃないのか」

 

 ランタナはアークに背を向け、窓から外を眺めます。

「わたくしが陛下に薬物を飲ませた証拠はあるのですか?」


 アークは信用出来る騎士たちを集めて連れてきていました。廊下に待機していた彼らを部屋に入れると、ランタナを拘束させ、部屋の中をくまなく探すように指示をします。すると、枕の中から薬物が見つかりました。


 それでもランタナは余裕の笑みを漏らします。

「それを陛下に飲ませた証拠はあるのでしょうか?今わたくしを捕らえるのは得策ではありませんよ。この胎の中には陛下のお子を授かっているのですから」


「皇帝の子だと……?」

 驚くアークにランタナは冷笑を浮かべ、首を横に傾けると、猫なで声を出しました。

「はい。そうです。アーク皇子がわたくしとの夫婦の努めを怠るので、陛下がご慈悲をたまわってくださり、なぐさめてくださったのです」


 してやったりと言わんばかりの笑顔にアークは冷ややかな視線を送ります。

 ランタナは己が性悪であることを楽しむ女でした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ