いがみ合っていた皇子がデレ始めた件について・1
お読み頂き、ありがとうございます。
こちらの作品は不人気のため、打ち切ることに致しました。
最後までの内容だけ書いていきます。長いので56話に分けて投稿致します。
○●○内容○●○
1週間一緒に暮らすことになった、イベリス、アーク、シャルミン、ランタナ。
オニキス宮殿にて、シャルミンとランタナに客室を使うように言うアークに対し、ランタナは4人同じ部屋じゃないと意味が無いと言い張り、アークは、婚姻関係にない相手には手を出さないという条件で渋々承諾します。
今し方のディナーの席で、昔会ったことがあると言ったシャルミンの言葉が気になるイベリスは、そのことについてシャルミンに尋ねます。アークは耳をピクリとさせてシャルミンに鋭い視線を送ります。
シャルミンはアークが精神的ダメージを食らうようにわざと今生での出来事と取れるような言い回しをします。
「キミがアーク皇子殿下と入籍する前のことだ。僕たちは結婚を誓い合った。けど、忘れても仕方がないほど昔のことだから、覚えてないのは当然かも知れない」
イベリスはアークを気にして焦ります。
「ていうか、そもそも私たちは会ったことが無いはずです!人違いじゃないですか?!」
シャルミンは困ったような笑顔を見せます。
「そんなにアーク皇子殿下が怖いかい?イベリスは昔から人を傷つけないように気を遣う子だったからね」
アークはシャルミンの言葉にカチンとし、ややケンカ腰になります。
「それじゃぁ、まるで俺がイベリスに気を遣わせているみたいな言いぐさだな」
シャルミンはしれっとした笑顔で返します。
「キミが好きだと言うからイベリスはそれに応えようと必死になっているだけだ」
イベリスがシャルミンに怒り気味に言います。
「あの、私の気持ちを勝手に代弁しないでください!私はアークに気なんて使っていないし、私が勝手にアークを好きになっただけです!」
その言葉にシャルミンの笑顔は崩れます。【ルティアだった頃の記憶がないのだから仕方がない。思い出せばきっとまた俺を必要とするはずだ】そう自分に言い聞かせ、イベリスに切ない笑顔を向けます。
一方アークはご満悦の笑みを浮かべます。
そして3人の様子を見ながらランタナは【なるほどねぇ~】と意味深に頬を緩めるのでした。




