宙は太陽を見る おはなし②
宙のハテ
太陽の光が届かない宙の果て。太陽も飲み込んでしまう宙の果て。
そこにすむ小さなお星さまは言いました。。
「ぼくも太陽に近づけたらいいのに…」
このお星さまは光る事はできません。太陽の光が星を包まなければ、キラキラ星にはなれません。
そんな小さなお星さまに、大きなお星さまはいいました。
「どんなに頑張っても、俺たちは太陽に近づく事はできないのさ」
小さなお星さまは言いました。
「どうして?」
大きなお星さまは躊躇いましたが、小さなお星さまに言いました。
「ここは宙の果てじゃないからさ」
「果てじゃなければ、太陽に近い場所にいるの?」
「宙には果てがないのさ。太陽がある方向がわからないから進めば進むほど遠退くかもしれないのさ」
けれど
「辿りつけるかもしれないから僕はいくよ」
宙のお星さまは、旅だちました。