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うちのダンナ詩集

庭野菜

作者: 陸 なるみ

三日毎に色付くトマトは

独りの私にぴったり過ぎて

泣きたいのか笑いたいのか

困惑してしまう


植えてと言ったのはあなたなのに

トマト好きはあなたなのに

茎の匂いばかり鼻について

涙にならずじょうろで水撒き


See you soon

と言った通りに

あなたはうちに帰ってきた

手の施しようのない状態で


6日間


一度だけ庭に出て陽射しの中

咲き疲れたバラを見ていた

今季お初のキュウリを収穫

あなたはうっすら笑ってくれた


あなたの向こうで揺れていた

ベニバナインゲンの花

今私はその実りを食べている

あなたがくれたものだから

細い食欲でも少しずつ


チリペッパーの花が咲いている

私には食べられないのに

ジャガイモはまだ土の中

少しずつ少しずつ


ニンジンを食べ尽くす頃には

私は号泣できるだろうか

あなたはもういないと

認めることができるだろうか

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