香
いつもどおりのゆるゆるとした作品です~…他の作品と比べると少し長めかもです…
いらっしゃいませ…お客様。
ようこそ、人生の香りを楽しんでください。
私は…歩いていた…街の中を…
行くあてもなく…
いつも歩く道も今日はなんだか違って見える
私はとあるお店を前で足を止める
……??こんなお店あったっけ?
す…すめーるらいふ…??
英語が得意ではない私は首を傾げながらお店の名前を読み上げる
時間は………あるし、よってみよう。
そうして…私はお店のドアを開けた
………いらっしゃいませ。お客様。
店の奥から男の人の声が聞こえた。
ここは…なんのお店なんだろうか…
あたりを見回すと……キャンドル(??)のお店のようだ……
ッ……手を伸ばした先のキャンドルがキラッ…と光った…ような気がした…
……お客様…もしかしてご利用は初めてですか??
私よりとても大きな男の人が真後ろに立っていたのだ。
はっ…はひぃっ……
なんとも情けない声が出てしまった…恥ずかしい…
……これ、専用の機械で見るんです。これは提供してもらった人生だから。
私の脳裏には??があった。 人生…??提供…?? キャンドルじゃないの…?? え、えええ??
……意味わからないって顔してる。 これは特別な機械で他の人の人生が味わえるキャンドル。お代は後払いの…ね。
私にはさっぱり理解できない…後払い…?? 使ったあとでしょ…??
……初回はお試しがあるから、試してみる?? 効果試してみたいでしょ??
ッ…やります…私は気づいたらそう言っていた……
そうしたら別室に私は案内された。
どんな夢がいいか聞かれ…私は楽しい夢…と答えた…
とても…甘い匂いがする…
匂いに包まれた後に気がついた
私は……知らない少女になっていたのだ…
痛覚も感覚もある……
不思議な夢の中に居るようだ…
裕福な家に生まれたその少女の生活は私の生活とは違く…とても楽しかった
しかし時だけは早く去ってしまう…
その私を包む香りが消えた時には…私は別室で座っていたのだ…
私は少しだけの幸せに取り憑かれてしまった…
もっと…もっと……
私は彼に掴みかかるほど強く…他人の人生を見ることを望んだのだ
……別にいいですけど、お代はいただきますよ。
それでもいい…私はそう答えた。
また…私は香りに取り巻かれ深い眠りにつく…
それが楽しい物語なら…辛くなどはない…
………そんなに生き急いで他人の人生なんて見なくていいと思うんだけどなぁ。 まぁ、それもいいか。
…お代はいただくよ。
ーーーーカランコロン。
……いらっしゃいませ。お客様。 ここでしか味わえない人生よ香りを楽しんでください。
今ちょうど新しい香りの新作がでたんですよ。
哀れにも人生を生き急いでしまった1人の人の人生。
…ご購入ありがとうございます。 ではこちらの部屋に…
あれ…貴方は…ふふふっ…
最初から見てたのですか。
言ってくださればいいものを……
もちろん…気づきましたよねぇ…??
このキャンドル達のお代は
そう
ーーー貴方の人生ですよ。
話が繋がったように見えたら…いいですネ