プロローグ
初めて小説を書いてみました。
ツッコミどころ満載だと思いますが、よろしくお願いします。
「しっぱいさーく!! しっぱいさーく!!」
「悔しかったらお前も何かしてみろよ」
「唯一お前が得意なじゃんけんをしてやってもいいぜ」
「まあじゃんけんなんか強くても意味ないけどな」
「うわ、また泣いたよこいつ」
「どうしたのー?あー、またハートね」
「もういいよ、ほっといて向こう行こうぜ」
――――なんの能力もない失敗作なんかどうでもいいさ――――
不愉快だ。
つまらない。
みんなはいつも仲良く楽しそうだな
今日も博士のために世界征服の手伝いか?
いいよな親に必要とされてさ
生まれながらに運命ってだいたい決まってるよな、たぶん
残酷なもんだ
俺はふと思い出す。まだ純粋だった頃を。
昔は自分の能力、「マインドパワー」を信じていっぱい練習したもんだ。
マインドパワーは、自分の感情をパワーにして実体化する能力・・・らしい。
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「こうやって、右手と左手で中指と薬指の先をくっつけるんだ」
「・・・っぷろぐらむえーた!!」
・・・何も起きない。何も感じない。
「まあ、これから練習して、できるようになればいい」
「・・・はい」
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俺は博士が23番目に作った生命体だ。
思い返すと、博士は自分の設計ミスは疑っていなかった。
もっとも、俺の能力について博士と話したのはこれが最初で最後なわけだが。
他に自分の能力が使えないやつは一人もいなかった。
当然、俺は孤立した。
ついたあだ名は「失敗作」
もう今となっては慣れっこだし、みんなも相手にしなくなったが。
だいたい、「マインドパワー」自体、異端なんだよ!
他のやつは怪力だったり、体が鉄のように硬くなったり、火を操ったりするけど、
なんだよマインドパワーって。なんで俺だけ文系チックなんだよ。
人の感情をパワーにするっていうのは100歩譲ってわかるにしても、
それを実体化するっていうのは意味不明だ。
まあ、自分の能力を信じれなくなったらおしまいだな。
・・・おっと、そろそろ完成する時間か。
博士が死んで完成させることができなかった67体目、「メモリー」が。
他のみんなはメモリーを完成させ、博士が目指していた世界征服を行うらしい。
博士の最高傑作と言われているメモリーがいれば十分可能だろう。