冬の王
島の中で一際温度の下がる場所だった。
コトウ、ネルサン、ネルサンの龍は洞窟の入口にいた。
「ここだ。」
ネルサンは言った。
龍の頭を撫で
「ここで待て。」そう告げた。
洞窟は吹雪が吐き出されていた。
ネルサンが頭を下げる。
コトウも真似て頭を下げる。
すると洞窟は静まり返った。
「さぁ行こうか、コトウ君。」
「はい。」
2人は洞窟を進んだ。
洞窟の割に暗くなく、蒼白い光で満ちていた。
2人は会話をすること無く、一際光の溢れる広間に出た。
そこには、
コトウが今まで見たこともない程の大きさの龍がいた。
貨客龍をもゆうに超える大きさ。
しかしゴツゴツとした感じではなく、しなやかな体躯。
全身白く美しい。
翼膜は淡青。
「よく来た、ネルサン。その子が・・・」
声がした。
夢の声では無かった。
「はい。こちらがコートル様の子。コトウ君です。」
コトウは慌てて頭を下げる。
「面をあげよ。」
眼は深い蒼。
美しい角。
その龍は、神々しかった。
「コトウです。」
「良く来たなコトウ。」
コトウはその龍に目を奪われていた。
「私は、冬の王と呼ばれている。名前はとうの昔に忘れたゆえ、そなたもそう呼ぶと良い。」
「冬の・・・王様。」
「コートルには世話になった。我が一族より出た邪の者を倒してもらったのだ。」
「邪の者?」
「うむ。ネルサン話してやれ。」
「あれはコートル団長が団長になる前の話になる。」
ネルサンはコートルと冬の王の昔話を話し始めた。




