父の話。
コトウは花束を持ち北へ歩いていた。
ここは一番街の外れ、コトウの実家よりさらに北。
海を見下ろす小高い丘を目指していた。
-クーカイロン墓地
コトウの父の墓だった。
母トーマのお使いとは、父の墓参りだった。
コトウの父
コートルはコトウがまだ6歳の時に死んだ。
仕事中の不慮の事故だった。
コートルはブルードラゴンズの団長だった。
とても優秀な龍使いであり、団長に最年少でなり王国からも部下からも慕われていた。
不慮の事故とは
龍の暴走だった・・・
龍使い達は龍と常に心を通わせている。
その日は新人教育の最中だった。
その年は3人の新人が居た。
飛行訓練中の出来事だった。
「コートル団長!」
「どおしたネルサン、そんなに慌てて。」
「飛行訓練中の龍が1頭暴走しました!」
ブルードラゴンズ龍舎横の団員事務所に訓練監督補佐をしていたネルサンが報告をいれた。
「なんだと!行くぞ!」
コートルは龍舎で自分の龍に乗り飛び出した。
現場では暴走した龍が火を吹きながら飛んでいた。
眼は血のように紅く染まっていた。
龍から落とされた新人は監督官ガルムに助けられ地上へ落ちずに済んだ。
「ガルム!状況は!」
「コートル団長!現状はこの場から離れないようにはしていますが無差別に火を吹き咆哮しています。」
その時暴走した龍は飛び去ろうとしたが後からついてきたネルサンの龍が止めた。
「悲しい目だ。」コートルは言った。
「俺が行く、周りを頼む。」
コートルが龍を操り暴走した龍へと近づく。
ある程度の距離に来るとコートルは龍に問いかける。
「どうした?何があったんだ。落ち着きなさい、そんなに暴れてもどおしようもないぞ。」
龍はコートルの姿を捉え、火を噴くのをやめる。
「そうだ、いい子だ。落ち着いて、まず地上へ降りよう。」
コートルが先に少し降下を始める、振り返ると暴走した龍も降下を始めようとしていた。
その時。
暴走した龍がコートルの龍に火を吹きながら体当たりをしてきた。
コートルの龍はバランスを崩したがすぐに立て直す。
しかり火によって火傷をおってしまったコートルはバランスを崩した際に龍から落ちてしまった。
ガルムとネルサンが急降下し助けようとしたが間に合わなかった。
強く身体を打ったコートルは即死だった。
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「父さん、ただいま。僕も今龍と関わって仕事をしているよ。最も世話係でしかないけどね。」
花束を、墓に供え墓の前に座り込み話しかけた。
後ろから音が聞こえたので振り返ると、ネルサン団長とその龍が居た。




