海と空に囲まれた国
「いらっしゃい!いらっしゃい!」
賑やかな声が聞こえる。
ここは国の一番街
【トルトゥオーネ】
海の幸、山の幸が溢れんばかりに並べられている。
「よう!いらっしゃい!」
豪快な街一番の鮮魚店のオヤジ、ボルテンだ。
「なんだ、コトウか!お使いか?」
コトウは苦笑して答える。
「お使いなんて歳じゃないよボルテンさん、今は寮ぐらしだし。」
コトウは幼い頃から親のお使いでボルテン鮮魚店にはよく来ていた。
「そうか!この春から龍政院勤めだったな!
立派になったもんだ。」
龍政院とはこの国【クーカイロン王国】の国立の機関で、
国の政治団体や軍隊など様々な部門に分かれている。
「まぁ龍政院勤めと言っても、龍空の旅客龍部だから大したことないよ。」
龍空とは【国立龍運空港】の略で、いわゆる空港である。
大型の龍が大きな客室を鎖で繋ぎ抱えて大人数を長距離移動できる遠龍空。
中型の龍の少人数短距離移動型の近龍空に分かれていて、島々を移動する時に使われる。
クーカイロン王国は100ほどある島々で成り立っており、一番大きなクーカイロン島が国王のいる島である。
龍空は各島に大きさは異なれど完備されており、クーカイロン島のは一番の大きさと、龍の多さを誇っている。
コトウはこの春近龍空の龍舎員として働き始めたばかりだ。
龍舎員は龍の世話、道具の準備等をする。
「例え龍舎員でも、しっかり働いてるなら申し分ないだろ!」
と背中を叩くボルテン。
「で、なんか買ってくのか?」
「うん、久しぶりに休みになったから母さんになにか買っていこうと思って。」
コトウの母トーマは一番街の外れで祖母と2人花屋を営んでいる。
父は、コトウの幼い頃に他界していた。
「そうか!ならトーマさんの大好きなタコがあるから持ってきな!」
タコを買い町外れの家に帰るコトウ。
街の喧騒の合間からは潮騒が聞こえる。
「あ!ブルードラゴンズだ!」
誰かの声が聞こえ、空を見る。
空は青く晴れ渡っている。
青い龍が編隊を組んで飛んでいた。




