力の差
コートルにまず出された試験はこうだった。
ガストパの乗る龍に付いていくこと。
コートルは施設一気性の荒い龍を相棒としていて、それに乗った。
ガストパが飛び立ち。
その後に続いてコートルが勢いよく追いかけた。
最初は唯ひたすらに広がる空での追いかけっこだ。
「がっはっは!まだまだ序盤だ!引き離されるなよ?」
ガストパは後ろを飛ぶコートルに声を掛ける。
「まだ余裕だね!」
コートルは声を荒らげ応えたが
実際はかなりギリギリだった。
「あのオッサン全然力出してねぇ、さっきからずっと龍の力だけで富んでやがる。
こっちは俺も精一杯集中してこいつをコントロールしてるのに!」
龍使いは龍をただ操るだけでなく
心を通わせ、龍の力をコントロールしつつ自分の力を龍に貸す。
龍だけの力は、荒くまとまりが無い。
それを人の力で落ち着け、方向性を決めまとまりを付ける。
ベテランの龍使いの乗る幼龍と、素人の乗る強い龍では前者の方が力を出す。
「なかなかやるな。
団員の中でも俺との追いかけっこでずっと離されずに付いてくるやつは少ない。
そろそろ次に行くかな。」
ガストパは龍を操り、針山のような島へと向かった。
コートルも無我夢中で付いて行った。