コートルの昔話
「コートルこっちだ。」
「団長、しかし国王様は自分などに何の用なのでしょうか。」
「しるか!私は連れてこいと言われただけだ。」
この時、コトウの父コートルはまだ若く
国王直下の龍団もブルードラゴンズと言う名称ではなく
クーカイロン近衛龍団と呼ばれていた頃だ。
コートルは幼くして両親を無くし孤児院で育った。
国の施設である孤児院は、学校も併設しており、
コートルは文武両道、運動も得意勉強も得意な生徒だった。
中でも龍の扱いは人一倍上手く
通常龍に触れるのですら5〜10年は掛かるところ
コートルは、1年で施設内一気性の荒い龍を乗りこなした。
そんな優秀なコートルにも、欠点は多々あり。
口が悪く喧嘩っ早かった。
そんな折、当時の近衛龍団団長ガストパが優秀な龍使いになる人材を探しに施設に訪れた。
「この子が成績一番のコートルです。」
施設長は、コートルを連れガストパ団長に紹介した。
「このオッサンが近衛龍団の団長?ただの太った豚じゃん。」
開口一番にこれだった。
「確かに太っとるが豚とは聞き捨てならんな。」
ガストパは額に筋を浮かべながら言った。
すぐに施設長が、謝りコートルの頭を下げさせた。
「まずはどれ位龍に慣れてるかテストしてやる。」
「はっ、余裕だね。」
そしてコートルの試験が始まった。