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bluesky bluedragon
青く晴れ渡った空。
太陽は眩しく照らしている。
海からの潮風が髪を揺らす。
藍とも紺とも群青とも言えない美しい青色の鱗。
首や脚、尻尾は逞しく。
爪、牙共に鋭く。
双角は水晶の様。
瞳は黒。
白銀の鎖に牛革の鞍。
そんな龍たちを俺は誘導していた。
空から舞い降りた龍を、決められた場所へ入れ、
外すものを外す。
次の龍の準備をし外へ出す。
周りに人はいない。
正確に言うならば、気配すらない。その世界には俺と龍しか存在しなかった。
大忙しで仕事をしていた。
次に降りて来る龍が最後だと感じる。
それまで見てきた龍より一回り大きく、壮麗だった。
俺は銀の鎖を引く。
その龍の部屋へ入れてそこで気づく。
この龍だけ瞳が青い。
深く深く、心をどこまでも惹き付けるような美しさだった。
俺の目は釘付けになり心はその目に惹き込まれていった。
急に海の中にいるような感覚になる。
周りはあの龍の瞳の色そのものだった。
声が聞こえる。
「そうかお前が・・・。良かろう、待っている。」