第2話『王都ジークと冒険者ギルド』
ノクターンの方の小説に力が入っていて、こちらを怠ってました。
最後のことばの部分を変更しました。
クレスト王国王都ジーク第2層域、通称興業層は商売をする店舗や物づくりを行う工場などが多くを占めている。その中で、南区の露店が並び人々の活気が溢れるその中をエリス、ロアン、アークは歩いていた。
エリスは上半身が軽装の鎧、短パンとその下にレギンスを着てブーツを履いている。着ているものを見れば、身に着けているのは良い物だが大きな街で多めの資金が買える程だろう。ロアンは重装まではいかないが、動きやすそうな鎧を着こんでいた。
「ところでエリス、また城を抜け出して今日はどこに行くんですか?」
「ああ、今日は冒険者ギルドに寄ってから孤児院の方に行こうと思う。あとアーク、今の私はエリスではない、この格好の時はエリーゼと呼ばないか」
「おっとそうでした」
「と言うか、私は変装しているのにお前のその格好はなんだ」
ジト目のエリスに睨まれるアーク。彼は明らかに貴族ですと主張するような白い軍服をきて、回りの視線やエリスから睨まれていることも気にせずニコニコと笑っていた。
「いや~やっぱりそこ言います?この服お気に入りなので」
「アーク、お前がそんな格好では、私の正体がバレてしまうではないか!」
(いえいえエリス、バレてますよ。大体の人達にはバレてますし、皆さん優しい目で見守ってますよ。気づいてない貴方も面白いですね)
アークはそう思ってはいたが、エリアには伝えずニコニコとした表情を崩さず彼女を宥めた後、時間がなくなる事を諭した。
「まあ今は仕方ない。ではロアン、お前は孤児院の方に先に向かって準備をしていてくれ。私はアークとギルドに行ってから、食材を購入して孤児院に向かう」
「はい、エリー・・・ゼ様」
「今は“様”はいらない。」
ぎこちない返事をしたロアンは一礼すると孤児院の方へと向かって行き、エリアはその姿を見送ると、アークを連れて冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドとは、大まかに言えばギルド会員として登録した冒険者が、国、街、村、個人からの 依頼受けてその仕事を遂行する機関だ。
その依頼は魔物退治や未開拓地の調査の危険なものから、薬や料理の素材集め、個人の簡単な依頼を聞く何でも屋みたいな簡単な事まで多々ある。
しかし冒険者もランクがあり、実績=信頼に繋がる職業としては、ランクの低い者に危険な依頼は受けさせられないルールがある。
冒険者ギルド王都支部。白い石造りの大きい建物で、中のホールもだいぶ広い造りになっている。受付カウンターも5ヶ所あり、依頼の受付や素材の買い取りなどに別れている。
エリスはギルドに入ると、カウンターとはまた別にホールの端に設置してある大きな箱へと向かっていった。
その箱は見る人が見たらATMに似ていると言うだろう。エリスはその箱に近づくと、ギルド会員の証であるギルドカードを出した。
ギルドカードといっても薄いカード状のものではない。表はガラス状の画面で手のひらに収まるサイズであった。これも見る人が見たらスマートフォンみたいだと言うだろう。
ギルドカードが収まるスペースにはめると、箱の方に付いていた画面の方が光り出して文字が浮かび上がってきた。エリスはしばらく画面を操作しながら確認すると、ギルドカードを取り外して後ろに控えていたアークの元に向かっていった。
「終わりましたか?」
「ああ、伝言板に報せが届いてないか確かめたが、特に報せは無かったよ。じゃあ食材を買って孤児院に向かおうか」
そう言ってエリス達はギルドの玄関へと歩み始めたその時・・・
「おい、キサマ・・・」
・・・と声をかけられた。
こちらの更新はおそいです。