パトとラッシュは、ず~っと一緒♪⑤襲歩(ギャロップ)
『お祭り終了後(8/16~)に自主開催の間違い探しのヒント(全部ひらがな)』
【き】づいてよ 【く】びわのいろ が 【ち】がうこと ということで、
この⑤で【首輪の色の違いの理由】が判明します!、それによって、やっと間違いを探すことが出来るということなのでした!、引っ張ってごめんなさい!
【肝心の問題は、この⑤の後書きにあります!】、m(__)m
【答えが分かった方は、『メッセージ』にて私にご連絡をお願いします!】
正解された方の中から抽選(自作あみだくじ)で3名様に『どんな要望(一応・・)でも(作者が頑張ってAI生成)イラストを描いて(多分、複数枚?)贈呈させていただきます!』(具体的内容は相談の上で)
・・いらないって言われたら、どーしよう・・orz(激しく不安)
※間違い探しの回答は、8/31投稿予定、最終⑥話の前書きにて発表いたします!
※⑤投稿後の8/31に、最終⑥話投稿にて、回答〆切とさせていただきます!
※正解者は、最終⑥話投稿後の活動報告にて(ご本人様に確認の上)発表予定とさせていただきます!
コロンさま主催、『菊池祭り』で私が考えた『きくち→きちく→鬼畜』というテーマを元に作った、この作品も後2話になります。前④のキツイ話を乗り越えて下さった方々には深く感謝を申し上げます!、どうか最後までお付き合い下さい!
九戒
『僕たちが年を取っても、どうかお世話をして下さい。貴方もまた同じように年を取るのですから』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
理事長先生が、僕の中の『鬼畜』な行いをした『ボク』に無言で問い掛ける。
『人間から犬への生まれ変わりを拒否せず、受け入れることが出来るか?』と。
・・恐らく以前の、自分の利益しか求めない『ニンゲンのきくち』ならば、そんな刑罰には従わず、不平不満をぶちまけ、不条理だと自分勝手に暴れていただろう・・
しかし、今の『イヌとニンゲンの魂が融合した僕』は違う!
今までの犬を商品や道具としてしか見て来なかった『きくち』はもういない!
どんな苦行も耐え忍ぶ覚悟を、守りたい大切な存在を想う意思を視線に込める!
この覚悟と意思はきっと、『ラッシュとパトを想う心』が種となって、『パトのきくちを想う心』が光と水を注ぎ、『きくちのパトラッシュを想う心』という花を芽吹かせたんだって!、『ボクとパトラッシュの新しい絆』なんだって!
理事長「そうですか・・安心しました、もう、その刑罰について不服を申し立てる者はいないのですね・・では、貴方たちに関係する話を続けさせてもらいます」
眩しそうに目を細め、無言の返答を受けた声音は、若干の高さを含んだように聞こえた。
理事長「古来より、ヒトに尽くし、ヒトに尽くされた動物は人間に転じることがあります・・しかし、その逆も然り・・動物を虐待したために、その動物へ堕とされる人間の代わりとして、かの動物が人間へと転生することがあるのです・・」
しかし、それも束の間のこと・・再び感情を込めずに言葉を続けていく。
理事長「厳しくつながれていた鎖や、閉じ込められていた檻から完全に解放される動物・・人と犬との魂の等価交換・・今回は、『きくち』から酷い虐待を受けていた犬が『きくち』に代わり、犬からニンゲンに転生するはずだった・・」
その声音の主の視線が僕から、僕の横へと移る。
理事長「今までの『全てのしがらみから解放』されて、自由で幸福な人生を歩むことを約束された犬は、『人間に転生できる証』である『首輪』をつけている・・」
その視線が、僕の大切な存在の首元を映す。
理事長「その印である、赤い首輪をつけているパトさんこそが、今度の生では何不自由ない、そんな人間へと転生できる・・・はずだったのです」
その視線の先にいる『赤い首輪をつけたイヌ』・・パトが大きくうなずく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パト「うんうん、思い出した!、パトが死んで、ここでニンゲンになるためのショルイ?にカキカキしてたら、そんなことを言われた気がするよ!・・でもね~」
パトが、ぶんぶんと音がするぐらいに頭を上下にさせて・・
パト「パトがニンゲンになったら、『きくち』とラッシュとお別れになっちゃうって言われたんだよ!?、だから、そんなの絶対にヤダー!!!って言ったの!」
その時のことを完全に思い出したのか、急にパトが机に身を乗り出して、全身で『イヤイヤ!』を表して・・あっ、こら、お偉いさんを前に机をバンバン叩くのは止めなさい!?、怒られるよ!?、机がミシミシいってるよ!?
管理者「霊長であるヒトに生まれ変わるという事は、今までの関わりを全て断つ必要がある・・それは魂レベルの縁であり、たとえ犬にとって深い絆である、一緒に生まれた兄弟であっても、ご主人様であっても例外ではない・・っと説明しても、全然聞いてもらえんかったな・・ワぉーン!?、ま、また暴れるのか!?」
恐らく、その時に担当した管理者なんだろう・・今のパトの様子に一番焦っている様子で・・す、すいません、ウチのパトはちゃんとした躾を1回も受けたことが無いんで!?・・パト、ちょっと落ち着いて!?、おすわりっ!?、シットぉ!?
理事長「パトさんは、あれだけ非道い目に合わされたのに、ご主人様である『きくち』のことが大好きだった・・いえ、今も大切に思っているんですね?」
パト「えっ?、理事長先生は、パトの気持ちをわかってくれるの!?・・うん!、だって『ご主人様』はね~、『ぱとらっしゅ』って言う名前を、パトとラッシュに付けてくれたんだよ!、名前があるって犬にとってスゴイことなんだよ!?」
興奮していたパトを理事長先生の言葉が鎮めてくれた・・もしかしたら、これも狙って?・・冷静な対応をする、やっぱり、すごい理事長先生だ!
でも、『きくち』が気まぐれで付けた『パトラッシュ』・・ホンの数回だけ、パトのことを『パト』と呼んだことと、残りの『ラッシュ』が『見えない僕の名前』だとカンチガイしたパト・・この事は一生黙っていようと思っているんだ・・うん。
とりあえず、パトの『赤い首輪』が『罪人の証』じゃなかったから安心だけど・・
ラッシュ「話を聞いて、やっとボクも思い出してきました・・パトの願いは、パトとラッシュと『きくち』が、ず~っと一緒にいることだったんだよね?」
僕の言葉にパトが、「うんうん!、そうなの♪」と尻尾をぶんぶん振る。
ラッシュ「だから幼くして死んで、魂だけになった僕・・パトといつも一緒だったラッシュが、このイヌの世界でも死んだパトと一緒にいたんだけれど・・」
ラッシュ「でも、本当ならばカラダの弱いラッシュは再び犬として生まれたとしても、また直ぐに死んでしまう運命だった・・そうなんでしょ?」
僕の問いに、その場にいる『青い首輪』の管理者たちが頷いていく。
ラッシュ「そこで『ラッシュ』と『きくち』の魂を同化させることで、『ラッシュ』は短命の運命を克服し、『きくち』は犬としての刑罰を続けて受けさせて・・パトには人間にならず、犬になることを選ばせた、ということだったんですね・・」
何故、僕が犬について深い知識を持っているのか、また、それを不自然だと思わない理由が判明した・・それは『ラッシュときくち』、ふたつの魂がこの身に宿っているから・・パトが『みんなとずっと一緒にいたい!』という願いによって・・
僕の言葉に、その場にいる『青い首輪』の管理者たちが再度、頷いていく。
その反応を見て僕は、今まで見た夢のことを振り返っていた・・
転がるボールを追いかけるパトが僕を置いて、どんどん成長していく夢・・あのパトは、すごく人間ぽかった・・それが人間になれる事を暗示していたのだと・・
ラッシュ「これは『きくち』の知識だけど、ボールは『たま』と呼び変えることが出来る・・『たま』とは『御霊』、『たましい』とも言える・・だから、パトはボールに執着していた・・それと死んでしまった僕は、生きていた犬のパトと人の『きくち』には追い付けない・・ヒントは色んな所にあったんですね・・」
バラバラだったピースが、ピタリとはまる感触を感じた。
理事長「そして、地上を走ることが得意だけど、水の中は不得意なパトさん・・その真逆のラッシュ君の夢・・水とは川・・死後の『三途の川』を示し、ラッシュ君はパトさんのことが心配で、その川を渡り切ることをしなかった・・地上という生きる者の世界で、パトさんをずっと支え、見守っていた・・だから、ラッシュ君は走るのが苦手で、泳ぎが得意だった・・とも考えられますね」
人と犬との狭間に揺れる僕らの見た夢を、どうして理事長先生が知っているのか・・
ラッシュ「僕の見た夢は、全て何かに繋がっていたんですね・・そして、今の僕は『ラッシュときくち』の魂を持ち、パトと一緒に再び『犬』として生まれ変わろうと何度も繰り返して・・その途中だったと・・やっと、全てを理解できました」
驚きすぎて、逆に知らないことなんて、この理事長先生には何もないんだろうって、疑問も持たず素直に納得してしまった・・心から信頼できるイヌなんだって。
理事長「何回も繰り返して記憶も曖昧でしょうけど、犬たちをモノとしてしか扱わない『ご主人様』の魂を、パトさんを、犬を大事に思っているラッシュ君の魂と同化させる・・互いに嫌悪する魂同士、最初は酷いモノだったと聞いています」
・・そこで他の管理者たちとパトが合わせたように、うんうん頷くのはちょっと・・ご迷惑をかけて申し訳ありません・・こちら記憶にございませんが・・
ラッシュ「結局のところ今の状態があるのは、パトのおかげなんですね・・パトの本当に真っ直ぐで純粋な『みんなと一緒にいたい』という願いが、奇跡的なバランスを保っているんですね・・せっかく何の不自由もない人間になれるのに・・」
これもパトのボール好きが功を奏したってことか・・いつかポロリと落としてしまい、そのふたつのボールを無くしてしまうかも知れないけれど・・
パト「う〜ん?、パトも毎回その記憶を失くしちゃうから、よくワカラナイけどね?・・ただ、ラッシュと『ご主人様』と一緒だったら嬉しいからだよ♪」
言葉に出来ないほどの仕打ちを受けたのに、パトはパトのまま・・その性格は死んでも治らなかったみたいだ・・僕は尊敬を通り越して呆れるばかり・・
理事長「ですが、『ご主人様』を強制的に人間の尊厳を奪い、犬に生まれ変わらせる・・その重圧は想像を絶するモノ・・それは融合したラッシュ君の魂にも同様の負担を強いることになり、両者の魂が消滅する危険を今も孕んでいるのです」
理事長先生の声が、緊張の色を帯びていく。
クロ先生「ははっ、呑気なモノね!、無事に犬へ生まれ変わっても、また虐待されない保障なんてドコにもないのに、折角、人になれるのにバッカじゃないの!?」
突然、僕らを嘲るような荒々しい声を上げるのは・・クロ先生?
クロ先生「私なら絶対、また人間に生まれ変わらせてもらうわ!、人に依存しなきゃ生きられないケダモノに生まれ変わるなんて、絶対にお断りなんだから!」
そう言って、こちらの方を睨みつける先生の首輪の色は、『黒色』・・
彼女もまたボクと同じ『罪人』なのだ。
?「そういう人間的な思想、感情こそが罪の清算と生まれ変わりを遅らせているのだというのに・・教育係をさせても、まだ理解できていないようだな?」
クロ先生の激しい言葉に騒然としかけた場で、叱責する様に話しかけるのは・・忽然と現れた『赤い首輪』の犬・・確か『赤い首輪』は、人間に転生できる者?
ふと周囲を見れば、他の『管理者たち』がお腹を見せたり、伏せたりしている?
犬たちが、こんな仕草をするということは・・
クロ先生「ひぃっ!?、す、すいません、許して下さい!?、もう逆らったり、虐待なんてしませんから絶対に!?・・イヤ、再教育だけはいや、いやぁ・・」
その厳しい言葉を受けたクロ先生は怯え、身体を震わせて言葉を失くしている。
この皆の反応・・存在感・・パト以外に『赤い首輪』をつけた犬を思い出す・・
あの判決を言い渡す時と姿が違うけれど、いろんな姿を使い分けているのだろう・・『きくち』が死んだ時に会った存在・・刑罰の執行者・・秩序の番犬・・
ラッシュ「あなたは・・『犬の神様』ですね?・・なぜ、ここに?」
クロ先生の言動を指導する為だけに、わざわざ『最高責任者』が出て来たワケではない・・そう思い、魂に刻まれた恐怖心を何とか抑えて声を絞り出す・・
もしや?、という脳裏に浮かんだ最悪な懸念を晴らすためにも。
理事長「お父様!?、どうかお待ちください!、次に再教育を受ければ、きっと『ラッシュ君ときくちさん』の魂は耐えられず、共に消滅してしまうでしょう!、お願いです、彼らにチャンスをあげて下さい!、再教育ではなく別の形を!?」
あの冷静で頭の切れる理事長先生が、必死な懇願の声を上げる!?・・きっと僕以上に思い当たることがあって・・それに『犬の神様』のことを『父』と・・だから、理事長先生は姿を変えられ・・いや、そんなことより気になることが・・
ラッシュ「ニンゲンの部分があれば犬になれない・・だから再教育を受ける必要があるのは分かる・・それを何回も繰り返しているんだろうと思ってたけど・・今度また再教育を受ければ、僕らが消滅するって本当なんですかっ!?」
詳しい再教育の内容は分からない・・いや、記憶にない・・多分、記憶に残せないほどのモノなんだろう・・残せば支障が出るような・・だから、わざと残さないようにしてるんだ・・それは理事長先生が言った『再教育は魂に負荷をかける』ということを強烈に裏付ける・・そして、その神が降臨したということは・・
犬の神「娘と言えど、秩序を守らぬモノは容赦せぬ・・控えよ、神の御前であり、神の意思を覆す事は何犬も出来ぬ!、世界への過剰な干渉・・躾が必要だな」
犬の神様が理事長先生を睨みつけると!?
理事長「うっ!?・・ぐっ・・あぁっ!?、そ、そんな、こ、この姿は!?」
先生が苦し気な声を上げて!?
理事長「くっ、力が入らない・・きゃぅん!?、ラッシュ君、見ないで!?」
恥ずかしそうに顔を伏せて・・幼いイヌの姿になってしまった!?
犬の神「その姿で暫く反省せよ・・協議の内容は把握しておる・・しかし、余りにも犬から離れた知性と言動を示すイヌ・・犬と人間が融合した存在か・・」
ここまで僕たちのことを親身にしてくれた先生に何てことを!?
ラッシュ「り、理事長先生!?・・ちょっ、待てよ!、理事長先生はアンタのことを『お父様』って呼んでたろう!?、じゃあ、娘じゃないか!?、なんで!?」
そんな衝動が、元の『きくち』の荒々しい言葉を吐き出させてしまっていた!
直ぐにしまった!っと思っても、出てしまった言葉は戻せない!
犬の神「躾の無い犬ほど良く吠える・・その存在は、この世界の異物である!・・故に、我は此処に集う管理者たちにラッシュへの再教育の是非を問う!」
ぎろりっと犬の神が、凄まじい威圧感を放ちながら僕を睨んで言い放つ!
パト「えっ!?、そんなコトって聞いてナイよ!?、ラッシュは、まだ犬の楽しみを知らないんだよ!?、とっても楽しいはずなんだよ!?、野原を駆け回ったり、ボール追いかけたり、水の中をスイスイしたり、ご主人様からゴハンもらって、一緒に遊んでもらえて・・ヤダ!、パトはラッシュときくちが一緒じゃなきゃゼッタイにヤダ!、いやだぁ!、ヤダよぉーー!!!・・うワーーーン!!!」
余りの出来事で騒然とする場に当てられ、滅多なことでは動じないはずのパトが、大きな声とボロボロと大粒の涙を流して、泣き出してしまった!?
管理者たち「神の名の下に、この『犬の学校』、『犬の世界』において、秩序は守られなければならない・・他の魂たちの平穏は守られなければならない・・」
そんな僕らの様子など歯牙にもかけないかのように、再び、犬の終わりと始まりを管理する者たちが、神の言葉に従い、また同じ言葉を一斉に唱え始める!
管理者たち「それを妨害する異物は排除せねばならない、再教育せねばならない」
可愛い顔した『犬たち』が笑顔で尻尾を振って、極刑を求刑していく!?
理事長「まっ、待って下さい!、もっとよく彼らの言い分を!、願いを聞いてあげて下さい!、我々、犬の仲間として生徒たちに温情を与えてあげて下さい!?」
犬にとって強いリーダーに従うのは、絶対に逆らえない本能だから!?
犬の神「採決の結果、反対する犬なし!・・よって我ら犬の神は、汝、『きくち・ラッシュ』に再教育を施行するものなり!」
娘の意見すら一顧だにしない、強引な犬の神の決定が場を支配する!
ラッシュ「くそっ!、こんなの最初から『犬の神』の決定が通ることが決まっている、強権政治ならぬ『強犬政治』じゃないかよっ!?・・しっ、視界がっ!?」
その言葉が切っ掛けになったんだろう、どんどん僕の周囲が歪んでいく!?
ラッシュ「あぁっ!?、視界だけじゃない・・感覚が・・僕が消えていく・・」
・・再教育の場に転移させられてしまうのか、意識までも朦朧とし始めて・・
犬の神「安心せよ・・汝らの魂が消滅した際には、晴れてパトはニンゲンへと生まれ変わるのだ・・今までの全ての戒めから解放されることによって・・」
・・再教育なんて何度でも受けてやる・・だけど、パトと僕らを・・お願いします・・犬の神様・・どうか・・このままでいさせて・・引き離さないで・・
パト「ヤダぁー!?、ラッシュー!?・・パトは絶対に信じているから!、絶対に一緒に生まれ変われるって信じているからね!・・ぜったいの・・・・・・・・」
・・切ないパトの声が段々と遠くなっていく・・手が届く所にいるはずなのに・・
理事長「させないっ!、彼らは私の『学校』の大事な生徒たち!、これが最後だと言うのなら、この世界の『理事長』である私の残った『権限』で!!!」
・・ただ、理事長先生の強い言葉だけが最後に残って、僕の意識が・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・ゆさゆさ・・ゆさゆさ・・カラダが揺れている・・ぼくのカラダが・・
?「・・シュ君?・・ラッシュ君、起きて?・・起きて下さいな?」
・・まだ頭がフラフラする・・ぼーっとして全身の力が入らない・・
?「まだ覚醒してないようですね?、そうだ、折角の機会なので・・すーはー」
でも、近くに聞こえてくる優しい声のおかげで、徐々に意識を取り戻しつつ・・
ぼんやりと僕がいるのは、間もなく茜色の夕日が射し込もうとしている教室で・・
?「私、ラッシュ君のことが好きだったんです、私と付き合って下さい♡」
・・僕は、いきなり見知らぬイヌさんに告白されてしまったぁあー!?
衝撃に目を見開くと、そのイヌさんと僕のふたり以外に誰もいない教室だ!?
ラッシュ「えっ、そ、そんな急に言われても!?、ぼ、僕は・・で、貴女は!?」
目の前にいるのは、控えめに言っても『美少女なイヌ』さん!?、どなた様!?
『美少女なイヌ』さんは整った顔立ちをしていて、瞳が宝石のようにキラキラしていて、スタイルも良くて・・きっとすごい血統の良いご令嬢に違いない!?
僕のような、どこの血統かも知れないイヌとは絶対に釣り合わない、見知らぬイヌのはずなのに、僕の鼓動が襲歩したときのようにドキドキしてしまう!?
・・生まれてから直ぐに僕は死んじゃったから、走ったことないけどねぇ!?
?「私は知っています・・ラッシュ君がどれだけ、きょうだい想いで優しくて、大事な者のために凄く頑張っていることを・・私は、そんなラッシュ君が・・」
あわわワーン!?、僕のことをこんなにスゴイって言ってくれるなんて!?、また僕は『美少女なイヌ』さんから好意を伝えられちゃうの!?、うわわワーン!?
僕の鼓動が最高潮に達して、顔から火が出るほどに熱くなって!?
?「この試験を無事に合格できると信じていますから!、ラッシュ君なら大丈夫だと!・・だから、私と一緒に試験に付き合って下さいね?」
普段の賑やかな印象しかない教室で、こんな憧れのシチュエーションが来るなんて!?、こんなアオハルなイベントなんて、ニンゲンの時にもなか・・へっ?
そう言って『謎の美少女イヌ』さんが両方の手のひらを広げると、そこには白い『ボール』が突然現れタ?・・なんて、イイマシタカ?・・シケン、ですか?
?「ということで半分はウソです、うふふっ♡・・ごめんなさい、最後に一度だけでも言ってみたかったのです♪・・ラッシュ君は、面白い反応をしますね?」
ラッシュ「がくーっ!?・・で、ですよねー!?、アナタの様に素敵なイヌが僕なんかにって言うか、安心したというか、すごく残念と言うか・・あ・・れ?」
『謎の美少女イヌ』さんが、いたずらっ子ぽい表情で冗談だと言ったので、ヒザから脱力してしまった僕は・・今更ながら自分の恰好がおかしいことに気付いた!?
ラッシュ「なんだ?、このゴワゴワした格好は?・・まるで何かから身を守るような?・・うん?、待てよ?・・身を守る・・危険・・あっ、思い出した!、僕は再教育を受けるはずだったんでは!?、どうしてこんな所にいるんだ!?」
やっと僕は状況を思い出した!、あの時、犬の神の力で転移させられて・・
?「私に残った『権限』で、強引に『お父様』の力に割り込みました・・とても際どいタイミングでしたが、それが逆に良かったみたいです・・私からラッシュ君たちへの、この教室で行う最初で最後の試験・・二度はありません!」
戸惑う僕に『謎の美少女イヌ』さんがそう言って、持っているボールに何か念じて始める。
室内なのに、窓も開いていないのに・・空気が流れ・・風が吹き始める。
?「今のラッシュ君たちに必要なのは、力ずくで考えを押し付けるような教育じゃない・・明日への一歩を踏み出すための力が備わっているか・・」
突然、その白いボールから眩い光が放たれ、教室全体が金色に染まり、強い風が巻き起こる!
ラッシュ「権限?、お父様?・・じゃあ、貴女は!・・くっ、まぶしっ!?」
僕は、余りの眩しさに目を細める!・・僕がよく知っているイヌと毛色も姿も・・
?「それを問うために私が考えた試験!・・このボールを無事、自分のモノに出来れば、試験は合格となり、再教育を受ける必要は無くなるのです!」
その首輪の色も違うけど・・風に巻き上がる髪のスキマから見えたのは、小さな『青いリボン』・・この優しくて気高い『美少女イヌ』さんの正体は、まさか!?
・・・・・・・吹き荒れていた風が収まっていく・・
・・・・・・眩しい光が収まっていく・・
・・彼女の手に収められたボールは・・
ラッシュ「理事長先生・・持っているの、『金○』ですか・・?」
あぁっ!?、す、すいません!?、殴らないで下さい!?、落ち着いて下さい!?
理事長先生、ま、まって!?、怒らないで!?・・・・・わぉぉおーーんっ!?
こうして、ふたりだけの教室には僕の鳴き声だけが響いていた・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
十戒
『最期のその時まで一緒にそばにいて下さい。「見ていられない」「立ち会いたくない」など言わないで。貴方が側にいてくれれば、私たちは安らかに逝けるのですから。そしてどうか忘れないで、僕たちが貴方を愛していることを』
ついに発表【間違い探しの問題!】になります!
(問題文)
『【き】づいてよ 【く】びわのいろ が 【ち】がうこと』 ということで、【黒い首輪:罪人】、【青い首輪:管理者】、【赤い首輪:人間に転生できる者】になり、【パトは必ず赤い首輪をしている】はずなのですが、今作の①常足中で【ラッシュの夢の中に出てきたパトが首輪の色を間違えているイラスト】があります!、それは合計で何枚あるでしょうか?』
【答えが分かった方は、『メッセージ』にて私にご連絡をお願いします!】
正解された方の中から抽選(自作あみだくじ)3名様に『どんな要望(一応・・)でも(作者が頑張ってAI生成)イラストを描いて(多分、複数枚?)贈呈させていただきます!』(具体的内容は相談の上で)
・・ぜんぜん応募がなかったら、どーしよう・・orz(激しく不安)
※間違い探しの回答は、8/31投稿予定、最終⑥話の前書きにて発表いたします!
※⑤投稿後の8/31に、最終⑥話投稿にて、回答〆切とさせていただきます!
※正解者は、最終⑥話投稿後の活動報告にて(ご本人様に確認の上)発表予定とさせていただきます!
お祭りなので、気に入ったイラストあれば、ご自由にお持ち帰り下さい♪(ヘンなことには使わないでね?w)
ラスト⑥は夏休み最後?の8/31に投稿予定です!、どうぞ宜しくお願いします♪(*'ω'*)ノ