西村純二監督「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」
「サクラ大戦」や「ああっ女神さまっ」でお馴染みの藤島康介先生の代表作「逮捕しちゃうぞ」
そのアニメの劇場版。
主題歌が気に入って鬼リピしていたところ、たまたま本編DVDが手に入ったので感想を書くに至りました。
アニメが配信されてるんだから、この映画もサブスクで配信してくれてもいいのに。
タイトル・逮捕しちゃうぞ the MOVIE
監督・西村純二監督
公開日・1999年4月24日
あらすじ
一年間の研修を経て、古巣である墨東署交通課に戻ってきた辻本夏実と小早川美幸。同僚達が温かく迎える中、事件は静かに進行していた。
放置車両から大量の銃器が発見されたのを皮切りに、管轄内にある信号機がハッキングによって一斉に故障、街はパニックに陥る。
更には銃器取引のタレコミが入り、夏美と美幸は捜査課の刑事と共に取引現場を押さえる。その際、銃器と一緒に謎のMOディスクが押収される。事が重大だと判断した本庁より捜査員が派遣されるや、夏美と美幸の上司である交通課課長の身柄が拘束されてしまう。
独自の捜査で交通課の面々はMOディスク内のデータ名が「蜂一号」、製作者が「柄本警部」であることを突き止めるものの、事態はなお悪化していく。
爆発する橋。更なる爆弾テロをほのめかす電話。墨東署に忍び寄る魔の手。
果たして夏美と美幸は、犯人を逮捕することが出来るのか……。
感想
最初にハッキリ言っちゃいましょう。
……パトレイバー2だこれ。
確かに西村監督は押井監督と交流あるし、脚本家の人は後にパトレイバーオマージュ丸出しの「交渉人 真下正義」の脚本も書いてるけど。
にしても、パトレイバー2感が凄い。
いや、決して貶している訳じゃなくて。
そもそも、「パトレイバー」と「逮捕しちゃうぞ」って似てるんだよね。警察官が主人公のコメディ作品だし。
だから劇場版を作るにあたって、アニメ版の空気感とは異なる作品にしよう、映画の尺とスケールに見合うテーマにしようってやると方向性が被るのは仕方がない。それに今作はパトレイバーの後発故に、影響を受けていてもおかしくはない。
それでいて、パクリ臭さは控えめでちゃんと「逮捕しちゃうぞ」の映画として収まっているのは、プロの仕事だと思う。
夏美と美幸が活躍して、中嶋君や頼子や葵ちゃんがきっちりとフォロー。本編では出つつも地味な捜査課の徳野さんも、カーアクションで八面六臂の大健闘。
良くも悪くもちゃらんぽらんな墨東署の面々に代わり、プロの警察官として動いていた蟻塚警視正や木下警部補もシブい。
飄々としつつも彼女(夏実)の危機に真っ先に飛び込んでいく東海林巡査長は、影のMVPだと思う。
……とまぁ、こんな具合にいつものキャラ達がいつも以上に頑張ってはいるんだけど、如何せん描写が足りないキャラがいる。
それが課長。
事件の首謀者である柄本元警部の友人として事件に関わり、友情に堅いという普段ののらりくらりとした雰囲気とはまた違うハードボイルドさを見せてくれた課長。
でも、その柄本との友情云々の描写が特にされてないの。セリフで警察学校の同期やら親友だっただの説明はされるけど、それを補間するようなシーンやカットは一切ない。
パト2で言うと、南雲さんと柘植の関係性が一切説明されない。あの後藤さんと荒川が水族館で話し合うシーン丸々消えてるみたいなモン。
でも南雲さんと柘植は男女だからだいたいの人は男女の仲だったと察せられるけど、友情って結構匙加減難しいぜ? 友情の度合いって人によるし。
それこそ命の恩人レベルじゃねぇと、色々説明つかないのよ。それが不満点かな。
あと、アクションシーンで止め絵が多かったのは残念かな。ヌルヌル作画を期待している訳じゃないけど、アニメで止め絵連発されるとちょっと不満を覚える。それが本来、動いている物を映している時は尚更ね。
まとめ
全体的に見れば良作。
いつものキャラ達の活躍を観れるという点では、この映画は十分アニメの劇場版という役目を果たしている。
細かい不満点があるのは確かだが、話をぶち壊しにしている訳ではないからそこは安心されたし。
あと主題歌の「CALLING」が本当に良い歌詞してるから、是非聞いてほしいな。




