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マーティン・スコセッシ監督「タクシードライバー」

初の洋画感想ですよ奥さん( ´∀`)

高校一年生の時に見まくったのよね、当時ネトフリにあったもんで。

思い出の作品なのよ

タイトル・タクシードライバー

監督・マーティン・スコセッシ

日本公開日・1976年9月18日


あらすじ

 1970年代中盤。アメリカはニューヨークのマンハッタン。

 不眠症を抱えた青年、トラヴィスは「どうせ寝れないなら稼ぎたい」とタクシードライバーの仕事を始める。しかし、心の内に孤独や不満を抱えたトラヴィスは、混沌と猥雑の大都市を走りながら孤独を深めていく。

 芽生えた恋心で孤独を解消しようとするも、彼の不手際から破談を迎える。

 存在意義、承認欲求、孤独、怒り。その全てに行き場を失ったトラヴィスはとうとう暴走を始める。


感想

 この作品、面白いんだけどね、劇薬なんだよね。

 なんで劇薬かというと、「リアルが上手く行ってないと滅茶苦茶面白く感じる」からなんだ。

 要は、鬱屈した主人公とリアルの自分を重ねてしまうのよ。

 別に、それ自体は悪いことではないの。映画の見方の一つであって、リアルで悪いことさえしなければどうしたってそれは個人の自由だからさ。

 でも、この映画には最後の一線を乗り越えてしまいそうな恐ろしさがあるんだよ。

 作品全体に漂う気怠さが、変わり映えしない日常との境を曖昧にするのか。

 役作りのため実際にタクシーを転がすほどの、ロバートデニーロの熱演に魅了されるからか。

 この映画での仕事を終えた直後に死んだ、作曲家の念でも籠もっているのか。

 それらが合わさって、映画というある種の催眠装置を成しているのか。

 もちろん、こういう映画を観ることで自分の気持ちを昇華させることも出来るよ。

 そもそも、大多数の人間が現実とフィクションの区別や境が分かるからさ、虚構を虚構として楽しむことが出来る。

 でも、現実としてアメリカではこの映画を観て、同じことをやらかした馬鹿タレもいる。

 程よく使えば薬、使い方を誤れば毒になる。

 まさに劇薬な訳だ。

 まぁ、物書きの端くれがグダグダいうことではないですな。これは論文じゃなくて、感想だし。


好きなシーン

 この映画で、個人的に好きなシーンがある。

 それがデニーロ演じるトラヴィスが、武器商人から拳銃を購入するシーン。

 ホテルの一室で、武器商人のセールストークを聞きながらデニーロが銃を手に取り、構えてみたり、空撃ちしたり。

 このシーンが、如何にも「デニーロ、危ないことやるよ」感が満載で思わず笑っちゃうんですよ。

 武器を手に入れたことで、引き返せるポイントを通り過ぎてしまうというか。

 実際、このシーンの次にデニーロは身体を鍛え、襲撃の準備をしだすし。

 ヤベー奴度が増していくんですよね。

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