Waffle「巨乳ファンタジー」
初っ端からこんなんでごめん(;´∀`)
一般論として、男は大きい胸が大好きである。だが、貧乳が好きな人もいることも存じている。
では、お前はどっちが好きかと聞かれれば、「どっちも好き」と答えるとんだコウモリ野郎である。まぁ、好きになったキャラが大きかったり、小さかったりするだけだ。
強いて言うなら、小さいキャラが若干多い。
なら何故、こんな露骨なタイトルのエロゲをプレイすることにしたのかというと、「世界観いい エロゲ」で検索して出てきて、なおかつDLストアでセールやってから買ったというなんともしょうもない理由である。
タイトル・巨乳ファンタジー
発売・Waffle
発売日・2009年10月23日
あらすじ
エーデルラント王国の騎士学校を最下位の成績で卒業した主人公「リュート・ヘンデ」
同級生達が近衛兵やら何処か都市の武官に配属される中、リュートはド田舎のボーアンへ左遷同然に配属される。そして彼は、国家さえも巻き込む大事件へ巻き込まれていく……。
感想
すごく面白かった。物語自体は往年のなろう系、それも「俺なにかやっちゃいました?」系の話。破綻もせずちゃんと風呂敷を畳んだ悪く言えばありきたり、良く言えば王道の流れですが、それを彩るのが主人公のリュート君。
騎士学校(現実で言う防衛大学校が近い)を最下位の成績で卒業したわけで、当然ながら同級生から嘲笑されるわけですが、持ち前の明るさでそれを柳に風と受け流す。
器の大きさというか人の好さを見せつける。それでも、同級生達は煽りまくるのですが、やはり怒るでも泣くでもなく、ニコニコしながら受け流したりちょっと天然で煽ったり。
この時点で、短気な自分は「リュート君スゲー」と思いましたよ。
騎士学校には現王様の息子、つまり皇太子や大商家の倅や亡命貴族の娘など、育ちのいいサラブレッド達が通っているんですが、リュート君は平民出身で天涯孤独でオカンが遺した金で学校に通っている、絵に描いたような苦学生。
嘲笑の原因はそこと、彼の「底なしのバカ」と評される天然さと、やらかしまくったセクハラにある。セクハラと天然さは擁護できないが、育ちは本人の特性は関係ないし、成績に至っては真の最下位であるボンクラ皇太子のスケープゴートにされていただけ(それでも成績は悪かったらしいが)。
成績の真相は卒業後、それもかなり後に知るとはいえ、あんな味方誰一人いない中で明るく生きられたよなと。
……ここまで書いて思ったのが、リュート君は徹底的に善人として書かれているんですよね。
物語開始時点で既に何人も殺してるサキュバスを、そういう生き物であり、今度から自分が面倒見るからと生かしたり、反乱軍を郎党皆殺しにせず生かしたり、自分をハメた女にも恨み言一つ吐かず、断頭台の前に立たされ罵声を浴びせられても反論せず。
もはや、善人に域を越えてメンタル鋼の化物ですが、それが物語後半に活きてくるから凄いものだ。
情けは人の為ならずを地で行く。
そんな主人公だからこそ、王道の物語になったのかなと。
ヒロイン
エロゲの感想のクセに千字近く主人公に語り倒してますが、ヒロイン達もちゃんといます。ちゃんとエッチです、安心してください。
シャムシェル
通称、シャムさん。自分が付けた通称は完全に某ネットのおもちゃだが、彼女はリュート君の童貞を奪い、なんならそのまま殺そうとしたヤベーサキュバス。物語開始時点で既に何人も胸と股で葬っているほんまもんのサキュバスなのだが、エロゲの主人公に手を出したのが運の尽き。
底無しの精力と人間性(他にも理由はあるけど割愛)に惚れ、熱心に主人公のバックアップをする。公式で「アゲマン」ならぬ「アゲ悪魔」と呼ばれるぐらい、その活躍は七面六臂にわたる。自分はそれを「困った時のシャムさん頼み」と称していた。
個人的には、ヒロインというより戦友や相棒に近いものを感じており、好きではあるのだがヒロインの枠で括っていいのか疑問に思っている。
ロクサーヌ
リュート君の最初の赴任先、ボーアンを治める長官の妻。自身は巨乳でありながら、貧乳好きの夫(しかも町娘と不倫してる)との夫婦仲は冷凍マグロくらい冷え切っているという、典型的人妻キャラ。
妊娠していなくとも母乳が出る体質(実際にあるらしい。最近だと「薬屋のひとりごと」にも同じ体質のキャラが出てきてたね)で、その体質を利用してリュート君と交流を深めていく。
自分は、女を取られるのも人から盗るのも苦手なタイプなので、好きと言っていいか目茶苦茶悩んだキャラ。でも、夫婦仲は冷え切っていたことや、本人達が幸せだから好きと言ってOKということにしました。
アイシス
リュート君の同級生。騎士学校を次席で卒業し、卒業後は親衛隊(近衛兵部隊)に配属されるエリート。豊満な胸を持つが故に、リュート君からは学生時代しょっちゅうセクハラを受けていたが、高いプライドから相手にしていなかった。ここから分かると思うが、昔懐かしのツンデレキャラである。
家は亡命貴族で、許婚もいるが相手の男(後述)の女癖の悪さや愛の無い政略結婚であるのであまり乗り気ではない。パッケージヒロインだが最序盤に出てきたっきり中盤まで出てこない、なんなら正史ルートでは影が薄いが、個人ルートに入ってからの巻き返しが凄い。ツンデレ、触手、料理下手のコンボをかますんですよ。とんだ差し馬ですね。
個人的には、個別ED以外あまり報われないキャラだなぁと思いました。影が薄いし、関わりが乏しいせいで個別ルート入らないと、感情移入ができないし、そもそも主人公への対応が終盤まであまり変わらないのが難しいところ。
ルセリア
エーデルランド王国現王ハーゲル1世の愛娘。アイシスと同じくパッケージヒロイン面をしているが、最序盤にチラリと出たっきり中盤まで出てこない。箱入り娘であり、他のヒロインと比べ性知識に乏しいが、それ故になんでもやってくれる系ヒロイン。
ぶっちゃけ、メインヒロインの中では関わり合いが一番少ない。そのせいか、あまり感情移入できず、個別EDが唐突に思えてしまった。
今作で一二を争う巨乳だが、出番に恵まれなかったせいでプレイヤーの印象に残りづらかったのが残念。
グラディス
名将の娘であり、女性ながら王国一の剣の腕前を持つ騎士。存在自体は序盤からほのめかされるも、登場するのは中盤から。騎士官僚制に反対して兵を率いて城に立て籠もっているような行動力の化身であり、それでいて指揮能力にも長ける文字通りの暴力ヒロイン。
ヘラヘラしている主人公に最初こそ良い感情を抱いてなかったが、ここ一番のチェス勝負に敗北して以降、リュート君の考え方やそっちのテクニックに惚れ……いや、ベタ惚れしてハチャメチャにデレる。
出番はルセリアとどっこいどっこいだが、印象はグラディスの方が強い。もっとも、箱入り娘と将器を持つ女騎士とどっちが印象に残ると聞かれれば、後者だろうし、終盤ではシャムさんの次くらいの活躍をしてくれたのも大きい。
エメラリア
ルセリアの教育係。最序盤から登場するし、その後もちょくちょく登場するクールな唯一の眼鏡ヒロイン。
姫の教育係に収まっているが、実際は実父である王国宰相の命令の下で汚れ仕事をさせられていた。彼女なりに思うところはあるようだが、立場的に逆らえないでいる。(シャムさんと持ち前の運で)成り上がる主人公を失脚させようと暗躍するも、シャムさんと持ち前の運でそれを回避していくリュート君に興味を持つ。命令ではなく自ら進んで彼とエッチをしていくも、芽生えた情を利用されトカゲの尻尾切り的に父にハメられて濡れ衣を着せられてしまう。
今作で一番好き。年上で眼鏡だぜ、たまんねぇなおい。
ある意味シャムさんよりもヤベーことをやってくれた人でありながら、可哀想度はトップクラス。そんな彼女がときおり見せる、本心からの笑みが愛おしい。
脇キャラ
当然ながら、主人公とヒロイン以外にも登場キャラはいる。個人的にそんな脇キャラで好きなのは、大商人の倅でアイシスの許婚のモテール君。
ふざけた名前だが、付いたからにはしょうがない。エーデルランドには家庭裁判所はないので改名の手続きはできないが、彼には必要ない。許婚がいながら、最序盤から都で有名な踊り子二人を侍らせ「俺の女」と言い放つ、一周回って真顔になるイキりぶりだから。そんなシャバ僧モテール君も、最初こそリュート君を嘲るも彼の行動を見ていくにつれ、与えられた肩書や立場を抜きにして自分で考えるようになり、最後は自分で決断を下す。
このように例え道を違えてもちゃんと引き返すか、正せる人間には救いがあり、身勝手な悪は滅びる。物語全体のバランス感覚が脇キャラにも適用されているので、やっていて後味がいいんですよね。
まとめ
王道ながらも適度にまとまったストーリー。
見ていて気持ちがいい主人公と、それを支えつつも自立しているヒロイン。
活躍が随所に光る脇役の存在も良く、ストーリーに刺激を与えて飽きないようにしていた。
面白いから、是非、やってみて。