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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第九章 聖者と愚者は紙一重

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第83話

 とりあえず、私とアドルフさんを一緒に行動させないでそれぞれに対し何かしらの接触があるだろう……という見解で一致した後、それは割とすぐにやってきた。

 

 私たち女性陣のお世話をしてくれる侍女さんの一人が、アドルフさんが城に呼ばれて不在の時に私のところにやってきて『とある高貴な身分のお方が、是非ともそちらの教義についていろいろと教えていただきたいとのことで……』と言ってきた。


 まあこういうことは想定内なわけですし、当然ながらお断りするようアドルフさんには言われているけれどきっと今頃王城であちらも似たようなことをされているに違いない。

 アドルフさんに女性を紹介したり籠絡しようとしている連中は絶許だけども、今後もそれが続くのは目に見えた話だ。


 勿論、まずは母国にいるゲオルグ陛下に連絡が行ってその後どうするかってのが一番だけど、現場にいる私たちを味方につけたらこちらの国としては助かるもんね。

 今はまだ下手に出ているけれど、いずれは実力行使に出るかもしれない。

 停戦したばかりで疲弊している私たちの祖国に再度の戦争で立ち上がる力はないことは明白だ。


 周辺諸国に悪いよう思われたくないにしろ、この国だって『協力を頼んだのに断られた』とかなんとか言われる可能性が高いなら……今、乗っちゃっていろんな証拠を掴んだ方が早いんじゃないのか? って私は思ったわけですよ。

 で、ヘルマンには話を通してある。

 やつは諸手を挙げて賛成してくれたので、アドルフさんへのフォローをしっかりするよう言ってある。


(……心配かけちゃうけど)


 アドルフさんにストレスをかける方が、私はいやだ。


 あの人は優しいから妻の私以外の女性に手を出すことはないだろう。

 心揺れる相手がいたなら、きちんと筋を通してまずは私と別れてから……とかそういう誠意を見せてくれるはずだ。

 ただ、基本的には『妻を大切にする』人だから、別れてでも連れ添いたい相手に出会うまではそんなことないと思うけどね!

 だからこそ、そういう人が現れたら素直に別れて祝福するつもり。


 そこまで覚悟を決めている私だからこそ、有象無象をアドルフさんに押しつける輩を排除してやりてえのよ!

 さすがに物理でぶっ飛ばすってわけにはいかないし、私の腕力なんてたかが知れているからこそもっとこう、情報を小出しにすんじゃなくて同等で……ってのは難しいか?

 とにかく変な搦め手で来ないでもっと素直に! 人助けをお互いにしようよ!!

 ってくらいに落ち着いてもらいたい。


「ヒルデ、貴女も同行してくれるかしら。それからヒューバートを呼んできて」


「はい。承知いたしました」


「是非ともお話をさせていただきたいところではありますが、護衛騎士を連れねば外を出てはならないと隊長に厳命を受けておりますのでどうかご了承くださいませ」


 にっこりと聖女らしい笑みを浮かべる私に、侍女さんは何かを言いかけて口をつぐんだ。

 おそらく彼女は私一人を連れ出せとか言われているはずだけど、下手にあれこれ言ってスリコフ将軍に伝えられるとまた困るはずだ。


(あの時、国王の傍にいたのは王子と宰相、そしてスリコフ将軍だった。この国もまた一枚岩じゃない)


 ゲオルグ陛下の近くであれこれ手伝わされただけあって、私も政治の……ぶっちゃけ見たくもない醜い争いとかを知っちゃったからね。

 そこに巻き込まれる側としてはこの侍女さんにも同情するけど、そこに加担する以上はお互い覚悟を決めて行動するしかないでしょ?


 私がにっこりと笑みを深めれば、侍女さんも顔色を悪くしながら『承知いたしました、先方の馬車がお待ちです』と答えるしかないのだ。


 そうしてやってきたヒューバートとヒルデを連れて、私は聖女らしく(・・・)笑みを浮かべたまま立ち上がってみせたのだった。


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