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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第七章 かわいそうな せいじょさま

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第66話

 そして三人そろってお茶会……というか、まあ本当にお茶があるだけなんだけども。

 お茶菓子はあえてお断りをだね。


 長居する気はないぞっていう意思表示のつもりだけど、伝わっているのかいないのか……このスリコフ将軍って人間がよくわからないんだよね。


 一応侍女さんたちを通じて人となりについては確認したけれど、浮ついた噂なんかもなく職務一筋で、部下たちからの信頼も厚く、使用人たちにも親切なんだとか。

 特にここの使用人たちの中には戦地で行き場をなくした彼らを雇い居場所を作ってくれたそうで、信奉度が怖い。


(……まあ、見た目も悪くないしそれもそうなっちゃうかー)


 アドルフさんほどじゃないけどな!


 黒髪の短髪に、きりっとした顔立ち。

 男らしいんだけど、粗野ってわけじゃない。


 気品はあるけど軍人としての振る舞いの方が強く、武人という言葉が似合うタイプの男性……として今のところ結婚したい男というか、憧れの男性っていう立ち位置にいるようだ。


 館の中にいる女性使用人たちの中にはスリコフ将軍に憧れている人も少なくないらしいけれど、自分がそのお相手にとは考えていないようだ。

 自分よりも相応しい人がいるから! みたいな。


 なにそれこわい。

 いや、使用人同士で寵愛を巡ってバトルされるよりはずっといいんだけど、平和で。

 私には関係ない話ですし。


「それで、話とはなんだ」


「そうだな……まず王城での話をするとしよう。順を追って話をするが、その過程で腹を立てないでほしい」


「……承知した」


 どちらも弁が立つというタイプではなさそうだけれど、アドルフさんよりはスリコフ将軍の方が人なつっこそうだ。

 まあどっちもどっちなんだろうけど……それにしてもこっちをチラチラ見るのやめてくれないかなあ。


 とりあえずよそ行きの笑顔、つまり聖女スマイルでこの場は乗り切るつもりだけれども。


(腹が立つような話があったんだ?)


 第一部隊の連中、しっかりしてくれよと思わずにはいられない。

 こちとら食っちゃ寝しているだけとはいえアウェーな場所で見張られているのは結構ストレスなんだよね……あちらもあちらで苦労していることはわかっているんだけども。


 戦後ってことでお互いにギスギスしている部分がどうしてもあるから、上手くまとまらないこともあるんだろうし嫌味も言われ放題かもって思ったら少しだけ同情する。

 でも大体ゲオルグ陛下のせいだから!

 あの人のおかげで戦争は終わったけど、あの人のせいで超過勤務させられている感じなんで特別手当を請求したらいいと思う!!


「現状、互いに支援も含め損害補償などについてやそのほか諸々、想定した範囲内で話し合いは進んでいる。話し合いが進んでいないのは、亡命者を保護した者たちからの訴えによるものだ」


「どのような内容か、我々が聞いてもいいのか」


「ああ、是非意見を聞かせてもらいたい。それを俺が判断して、上に相談し、必要であれば王の前で今一度同じ事を話してもらうようになるかもしれん」


 スリコフ将軍はふっと鼻で笑うような仕草を見せた。

 それは私たちに向けたものではなく、どうやらこれから話す内容に関してのものらしいが……その態度から、どうにもろくでもない話だなと思わずにはいられなかった。


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