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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第六章 ようこそいらっしゃいませんでした!

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第55話

「イリステラさん!」


「ヒューゴー、ヒルデ。どうしたの?」


「はい、隣国への協定で、護衛の任に就きましたのでご挨拶を……」


「同じ隊なんだからそんな畏まらなくて良いのに。それに、ヒルデは私と同じ立場なのだし……ヒューゴーが私たちの護衛って扱いじゃない?」


「いいえ! イリステラさんは聖女ですし第五部隊の支柱ですから!! 私もしっかり護衛します!」


「支柱って、そんな大袈裟な……」


「大袈裟じゃありません!!」


 なんでだろうなあ、なんでかわからないけど、ヒルデは私をとても尊敬してくれている。

 なんだったらアドルフさんに噛み付く勢いで私の傍にいたがるところがあるんだよね……。


 ヒューゴーにも懐かれているけど、彼はまあわかるんだよ。

 彼はアドルフさんに憧れているからね!

 その公私ともにパートナーである私に対しても敬意を払ってくれているから。


 慕いすぎてどこに行くのもついていくもんだからアドルフさんにウザがられている感もあるけど……まあ私としては共感できることが多々あるからしゃーない。

 アドルフさんの尊さを理解しているっていう点では我らは同志……!


「ちなみに今日、隊長は!?」


「ヒューゴー、挨拶抜きにいきなりそれはどうかと思うなー」


 おねえちゃんは心配だぞ!

 それ隣国でもやらないでね。


「これだからこのバカだけにイリステラさんが護衛できるとは思えません……!!」


「あー、ヒルデはヒューゴーの手綱を握る係かぁ」


 そんでもってヒルデの暴走を抑えるのが私の役目かあ。

 まあこれはこれで良いコンビだから見守るとしよう。


 なんたって、主人公たちだからその潜在能力は高いしね。

 ベース能力は高くないけど、あのゲーム設定通りなら鍛えれば鍛えるほど伸びるシステムだった。天井知らずってやつ。


 ただ、それはあくまでゲーム上のシステムの裏技を使ってのこと。

 ゲームの進行通りに行くと、ある程度の成長で終盤にさしかかってステータス上げやれなくなっちゃうのだ。


(……普通の訓練で、この子たちがどこまで伸びるかだけど)


 それでも戦争は終わっているのだし、そこまでステータスが伸びていなかったとしても問題はない、はず。

 続編設定がどう関わってくるかわかんないってのが困ったもんだ。


(こんなことになるならやっときゃよかった続編!)


 アドルフさんが思い出でも出演しないと話題になったからまったくもって手を伸ばさなかったことが悔やまれる!

 いやゲーム世界に転生するとか予見できてたらそれはそれで怖いけども。


「イリステラ」


「アドルフさん」


 第五部隊での訓練時、私は特に参加しない。

 というのもサボっているわけではなくてだね、基本的に聖女って戦闘には参加しないというか、獣神部隊のメンツの身体能力に一般人はついて行けないから守られて邪魔にならないように退避ってのが基本なのだ。


 それに加えて日常生活を送れるようになったとはいえ、そういった訓練には不向きな体。

 毒の影響は抜けているはずなのに、何故虚弱体質が直らないのか……。


 っていったら成長期に栄養失調だったところに内臓が壊死するようなダメージを受けて尚且つ生き残ったのが奇跡なんだから諦めろって聖女長様にめっちゃ真顔で言われるのでもう諦めている。

 代わりにめっちゃ書類頑張るようになった。


「ヒューゴー、俺の妻と距離が近い。離れろ」


「はい! 隊長!!」


「二人も挨拶をしたなら訓練に戻れ」


「はい!」


「……承知しました」


 ヒューゴーとヒルデは新兵だから、まだまだ体を作る方に重きを置いた訓練だ。

 おそらく武器、防具の手入れ訓練を早めに終えて私のところに挨拶しにきてくれたんだろう。


「まったく、あいつは距離感がおかしくて困る」


「大型犬の子供みたいですよねえ」


「……ああいうのが好きなのか?」


「え? まあ嫌いじゃないですけど……」


 私の傍に歩み寄ったアドルフさんに、椅子を譲るべく立つ。

 なんせここは第五部隊の宿舎、そして隊長の執務室。

 私が今座っていたのは当然、アドルフさんの椅子なのだ!

 うへへ、推しの椅子だぜ……ここに座って推しのお仕事を少しでも軽減できるとか尽くせている感があってとても幸せ……!


 まあアドルフさんが書類仕事している時の姿を近くで見られるのもまた良きなのよ、これが!

 書類作業するためにちょっとだけ袖まくりして、普段隠されているその筋肉質な腕が垣間見えるのとか……隠された傷痕がチラッと見えるそのセクシーさ!

 うちの推し、なんでこんなに素敵なのかなあ!!


 はあ、結婚する前からずっと推してて結婚して妻になった今でも推せる……推すポイントしかない……。


「わっ!?」


 そんなことを考えていたら椅子に座ったアドルフさんに引っ張られて、膝の上に座らせられてしまった。


「あの、重く……」


「ないな。毎日きちんと食わせているはずなんだが……もう少し増やすか?」


 アドルフさんは私を膝抱きにしてもビクともしない。

 そうやって私の体重を確認しようとするところ、若干愛が重いんじゃないかってマヌエラが心配してくれてたけど……うう、このビクともしないところかっこいい……しゅき……。


「というか仕事しづらいと思うんですが!」


「問題ない」


 思いを通い合わせてからのアドルフさん、ヒューゴーよりも距離感バグってるからな!?


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