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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第六章 ようこそいらっしゃいませんでした!

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第53話

「アドルフさんアドルフさん」


「どうした?」


「そういえば隣国に行くことは仕方ないにしても、第五部隊は全員行くんですか?」


「いや、治安対策に丸々一部隊連れて行くと現状では残った部隊に負担が残る。半数残して指示にあたるようにするつもりだ」


 そうなのだ、一応『第五部隊』という指名をされていることになっているが、本当のところをいうとあちらの国が指定してきたのはアドルフさんと私。


 そう、私。

 例に漏れず聖女だからだと思われる。


 アドルフさんはね、ほら強くて隣国まで名を轟かす武人だからね!

 さすが私の推しだぜ、当然だッ!

 まあその分、隣国でどう思われてるのかってのが心配でならないけど……私の目の前でアドルフさんや第五部隊のみんなのことを悪く言ったら末代まで祟ってやるからな!


 ……なんてさすがにそんな恐ろしい能力は持っていない。

 せいぜい、ちょっぴり腹痛を感じる程度のことならできるけど。


 体内の魔力を歪ませるくらい、治癒の応用でできちゃうんだからね!

 それも接触して直接魔力をどうこうしなきゃいけないからまず前提からして無理な上に私ができる精一杯なんだけどさあ!


 本当にチートがないの、なんでかしら……アドルフさんの妻になれたのが最高最大の幸運だって言われたらその通りなんだけども。


「……アドルフさん、あちらの国に行った時に何か嫌なことをされたり言われたら私に教えてくださいね! やり返してやりますから!!」


「ああ、わかった」


「本当に、本当ですよ!?」


「ああ、わかった」


 うすく微笑んで了承の言葉を繰り返すアドルフさんだけど、なぁんか『微笑ましいなあ』って見守られている感があるのはどうしてだろう。

 私だってちゃんとやれるのに!


 まあアドルフさんからしてみたら、私はか弱くて守るべき庇護対象なことには変わりないんだろうなっていうことはわかる。

 ましてや彼にとっては愛しの妻(!)だからね!!


 自分で言うとこんなにも恥ずかしいけど実際そうなんだから仕方ないっていうか、アドルフさんがそう公言しているから第五部隊じゃ当たり前みたいな雰囲気なんだよな……。


 前世が日本人な私としては少々その愛情表現に照れくささを感じざるを得ないっていうか、推しによる過剰供給に日々嬉しい悲鳴を上げているっていうか。


(推しが今日も尊くて可愛くてかっこよくてたまんないとかもう最高……)


 毎日アドルフさんへの愛が増していくばかりなんですよ。

 はーもう本当に戦争生き残ったら推しを見守って生きていきたいとは思ってたけどこの至近距離たまんないわ。最の高。


「どうした?」


「いえ、今日は晩ご飯何作ろうかなと思って」


「そうだな……たまには食べて帰らないか。お前も移動が多くて疲れているだろう?」


「いいですね」


 そこは多分『俺が作ってもいいんだがそうすると気にするだろうし夫としては休んでもらいたいし』って気遣いがたっぷり含まれてるんですよね! 知ってます!!


「そういえば、今回はヒューゴーとヒルデも連れて行く。お前の傍に置くつもりだから、そのつもりであいつらの面倒を見てやってくれ」


「えっ」


 久しぶりのレストランなんてちょっと浮かれていたらそんなことを言われてちょっぴり戸惑った。

 いや、ヒューゴーとヒルデに不満があるわけじゃないよ?


 ただね、その二人ってゲームの主人公たちじゃんね……!!


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