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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第六章 ようこそいらっしゃいませんでした!

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第52話

 まあ愚痴を言ったところで始まらない。

 というかゲオルグ陛下が仰った通り、こればかりはどうにもできないから第五部隊も行くしかないのだ。


 ただまあ文句の一つや百は言ったっていいだろうという精神の元、直接言えたからいいかと私は王城の外に出て伸びを一つ。


(続編、続編なあ……)


 私がプレイしたのが第一作。

 第二作はネットニュースでちらりと見ただけだ。


 そう……買うつもりはなかったから『そうかあ』程度に流し読み。

 わかっているのは新システム導入だけど前作の流れを汲んで重厚なストーリー展開、前作の主人公たちもサイドストーリーで登場、主人公は敵国の(・・・)若き将軍ってことくらいだ。


 その若き将軍ってのがシルエットで描かれていたけど、当時ファンたちの間で第一作の途中で出てくるライバル的な敵国の将軍だろってすでに言われていた。

 ちなみにゲームで出てくる際は名前は出てこない。

 ただ声優が割り当てられていたし立ち絵があったので、製作者サイドのお気に入りキャラであることはプレイヤーたちも察していたっていうね!


(でももうゲーム展開とは時期も結末も何もかもが違っているから、そもそもが続編の内容知っててもどうしようもなかったよなっていう)


 ただストーリー展開知っていたら第五部隊に何か貢献できたかなあと思わなくはない。

 ズルっていうな! これも戦略よ!!


 推しのために使えるものを使って何が悪い。

 そう声を大にして言いたいところではあるが、今回に関してはもう私の知識範囲外なんだよなあ……。


(そもそも第一作が始まるよりも前に私が改変しちゃったから、知識範囲外も何も最初っからそうだって言われりゃそうなのかなとは思うけどさ……)


 やっぱりねえ、私にチート能力があったならって思わずにはいられない。

 アドルフさんとちゃんとした夫婦関係になったおかげか私の聖女としての能力は辛うじて保持された。

 とはいえ前回生死を彷徨う理由になった鉱石毒のせいで内臓がボロボロになったのがいけないのか、私の体は以前より弱くなった気がする。

 いうなれば、虚弱体質?


(そのせいでアドルフさんの過保護に拍車がかかってんだよなあ……)


 いやアドルフさんだけじゃないな。

 第五部隊全体が私に対して過保護な気がする。


 すごく助かってはいるんだけども。


「イリステラ」


「アドルフさん!」


 今日だって王城に陳情書を届ける……もといアニータ様とのお茶会だって言ったらアドルフさんが王城まで送ってくれて終わった頃を見計らってこうしてお迎えに来てくれるんだもんね!


「大丈夫か。陛下に何か難癖をつけられなかったか?」


「特には。いつも通りでしたよ」


「……城内で兵士に声をかけられたりとかは?」


「それはありませんでした」


 戦争が終わったとはいえ、今でも〝聖女〟って存在は他国にとって神秘的存在だ。

 そのため最近では交易に扮した人攫いが増えているらしく、そちらも私たちの頭を悩ませている問題である。


 だからなのか、私が一人で行動するのをアドルフさんは嫌がるんだよね……。

 オオカミの因子をもつ獣人族の末裔だからなのかもしれないんだけども。

 アドルフさん曰く、オオカミの因子を持つ獣人は一途なタイプが多くて伴侶と認めた相手をずっと傍に置きたくなるとかなんとか。


 聖女としての能力に目覚めた私は獣人族の末裔であってもその因子が治癒に書き換えられているからその本能? みたいなものに関しては正直よくわからないんだよね!


 でも推しが私の傍にいると嬉しくて幸せだって顔してくれるので、万事オッケーなんですけども。


「やっぱり隣国に行くのはどうしようもないみたいです」


「……だろうな」


 そういえば、例の将軍って亡命した聖女の子っていう設定があったんだよな。

 それって続編でどう活かされていたんだろう……?


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