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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第二章 あなたと、わたし

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第17話

 聖女長様とお話をし終えて外に出ると、マヌエラさんがいた。

 彼女は第五部隊所属で、物腰穏やかな美人さんだ。


 なんでも、ご両親が教師をしていたとかで大変教養のある人なんだけど、戦渦で家が壊れて家族も怪我を負い、働き口が風俗店か兵士になるかの二択だったんだそうな。

 なんでそんな極端な……って思ったけど、下に弟さんと妹さんがいるらしくて、彼らが兵士にならずに済むようお金を手っ取り早く稼ぐために獣神部隊(ビースト)に志願したんだそうだ。

 泣ける話だ!


「マヌエラさん、どうなさったんですか」


「良かった、呼びに来たんです」


「すみません! そんな時間でしたか!?」


 一時間は経っていなかったと思うんだけどな。

 聖堂には時計がないから感覚でいたのがまずかったか。


 祈りを捧げるのに時計があると気が散るって理由らしいけど、こういう時本当に困っちゃうよね!!

 聖女長様の部屋にくらい時計があっていいと思うんだけどな……。


 迎えに来てもらってとても申し訳ない気持ち。反省。


「ああ、いえ。実は怪我人が出たのでお願いしたいと……」


「それは大変です! 急いで戻らないと……!!」


 どの程度の傷かにもよるけど、大怪我だったり出血の量が多いと命の危機を感じてなのか、本人の意思とは関係なく獣化してしまうことがある。

 今までそういった事例で獣化した人は、大体が暴走してしまいがちなのだ。


 そうなれば周囲への被害もバカにならないし、その後運良く取り押さえられたとしても本人は懲罰、最悪命を失ってしまうパターンだってあり得る。


「それで、どなたが?」


「いえ、あの、第四部隊の方なんです。あちらには今、聖女がおられなくて……他にも下級神官を呼んでいるので大丈夫とは思いますが、念のために待機してもらうよう隊長が」


「わかりました」


 なるほど、アドルフさん的には念のためってことなのか。

 でもそういう状況なら城詰めの下級神官で足りるかな。


 そう思いながら傷の程度によっては私も手を貸して、医務部へ託すのが妥当だろうか……なんて考えているとマヌエラさんが私をジッと見ていることに気がついた。


「……マヌエラさん?」


「あの……イリステラさんは、隊長のことを、どう思ってらっしゃるんですか」


「え?」


 唐突な質問に思わず足が止まった。

 真剣な表情のマヌエラさん。


(あれ、もしかしてマヌエラさんはアドルフさんのことが好きなのか?)


 健気系美少女、マヌエラさん。

 第五部隊の人たちはみんなアドルフさんを尊敬しているようだったから、彼女もそうなんだろうけど……おやおやあ?


 ゲームでの奥さんよりも私としてはアドルフさんを幸せにしてくれそうな軍配が上がるのは、当然ながらマヌエラさんだ。

 下級神官時代に命を救われた際、優しく声をかけてくれていたのは彼女だったこともあって私の中ではもう女神枠。


 とはいえ、ここで恋バナを始めるのはいけない。

 そのくらいの分別は私にもある。


「好きですよ。尊敬してます」


 私は端的にそう告げると、再び歩き出す。

 あくまで尊敬だから安心してねという気持ちを込めてのことだったんだけど、マヌエラさんは私の言葉に困ったような笑みを浮かべつつ、ホッとしたように息を吐いて一緒に歩いてくれた。


「良かった」


「え?」


「イリステラさんなら、きっと隊長のことを幸せにしてくれますね!」


「……ええ?」


 いや、確かに推しには幸せになってほしいと思ってますけども。

 マヌエラさんはとても嬉しそうだ。


「お二人の結婚生活がこれからも順調でいられるよう、早く戦争が終わるといいのですが……」


「え? は、はい、そうです、ね?」


 おおっと、マヌエラさんが恋心を抱いている説は不発だった……?

 なんか応援されちゃったんだけど生憎ですが『愛することはできない』って言われてる、将来離婚確定な嫁なんですよ!


 なんかゴメンね!?

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