表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
(第四部)第十六章 それは誰のための物語か

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/200

第153話

 現状を把握しよう!

 我がオーベルージュ王国はかつて神鳥が卵を産むために特殊鉱石を欲しがり、それに適した能力を持っていた初代国王が選ばれた。

 元々獣人の国だったがその性質は段々薄まり、戦争で薄まった能力を酷使した結果暴走に繋がるようになった。

 でも獣化の能力によって国が救われ、周辺諸国からは一目置かれたわけだ。


(で、神鳥に『戦争で大変だから鉱石を掘るためになんか能力をください』ってお願いしたら治癒能力を持つ人々が生まれた……それが聖女の始まり)


 これが一番最初のゲームでの設定だ。

 実際、この世界ではそれで成り立ってるわけだからね、この国。


 でも問題は他国の存在だ。

 これはゲームじゃわからなかった……というか、続編以降の話だから私が把握していないって理由だから正確なところは判断できないけど、わかっていることは一つ。


 この世界は、現実だ。

 だから外交問題とか利権とか陰謀とかそういうのが入り交じっているわけだよね。

 おそらく介入がなかったらゲーム通りになっていたであろう流れも、どこかでほんの少し変えるときちんとそれに応じて変化をする、これが現実だ。


 ゆえに――かつて隣国リンドーンが、聖女の力と獣化について調べたいがために人々の亡命を誘ったり誘拐したり、そうした現実があるように。

 それはリンドーンだけではなく、他の第三国もまた興味を持っていてもおかしくない……ってことだ。


(続編はリンドーンだった。それもきっとゲーム通りではなかった)


 おそらくアエスさんは詳細についても話していたのだろうけれど、あの報告書を見る限り聞き手にとってはあまりにも荒唐無稽すぎてどう記していいかわからなかったって感じではなかろうか?

 ゲームやってる人じゃないとわかんない話ってあるじゃない? あれよ、あれ!


 アエスさんのことは親しくないんだから勿論詳しくないけど、あの町で独善的に『アタシのアドルフ』とか言っちゃってたことを考えれば結構押しが強いっていうか……原作至上ってのも何か違うけど、とにかくこの世界をあのゲームと〝まるっと〟同じに考えている節があったのよね。


(だから説明なんてそもそもするつもりがない、と考えればやっぱりこの報告書を書いた人には何が何だか通じなくて困ったと思うんだよなあ)


 かといってじゃあ私が話をこっそり聞いていたらわかるのか? って問われるとそれはまたわかんないと思うんだ。

 なんせ私が好きだったのはあくまでアドルフさんが出ていた一番最初のゲームであって、続編その他は……ねえ?

 早口語りされても多分『お、おう……そっか……』ってなるんじゃないかと。


(とはいえ〝ゲームを前提に〟と考えれば、理解できないこともない、か……?)


 何より問題なのは、その〝彼女にとっての正義〟というか、アエスさんにとって〝本来の流れ〟という正しい(・・・)物語について、もし身勝手にあれこれ第三者に語られて……しかもそれが複数いたとしたら。


 オーベルージュの建国の秘密、聖女の成り立ちや役割、リンドーンでの騒ぎ、それからスピンオフ? のストーリーでネタバレをしたってことになるわけよね。

 そのネタバレがこの世界にとっては各国の秘密だったりするってことを彼女は理解していただろうか?


 いや、してないだろうなあ!


「聖女イリステラ」


「はい、なんでしょうか」


「……例の元神官は魂に異常はないという報告が教会からあがっている。その状態で新たに聖女の術で魂の活性化をかければ、正気に戻るということは?」


「ありませんね。薬物や術が原因で心が壊れたとしてもそれは魂とはまた別物ですから……ってアニータ様に既に確認なさったのでは?」


「お前は最弱だがとんでもないことをやらかすことも多々あったからな……何かいい案を出してくるかと思っただけだ」


「ひどくないです!?」


 最初から期待はしてなかったって態度をとられるのは地味に傷つくんですけど!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ