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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第二章 あなたと、わたし

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第15話

 プリンは大好評だった。

 推しが嬉しそうに目を細めて一口一口大事に食べている姿を脳内カメラで連写したよね……。


 表向き、私は綺麗な微笑みを浮かべていたと思いますのでセーフです、セーフ。


「そういえば、明後日は合同訓練がある」


「そうなんですか?」


「特に何があるというわけではないが、イリステラも参加してほしい」


「わかりました」


「……すまないな」


「いえいえ! 私は戦闘ではお役に立てませんので……」


 名前を呼んでもらえるのが、嬉しい。

 部隊の人たちに会わせてもらえないのが信頼度の低さなのかと思うとそれは少し悲しいけれど、それでもこうして気遣ってもらえたり食事を美味しそうに食べてもらえるだけで私は十分だ。


 推しはいつだって私の心を救うのだ。


(しかし合同訓練かあ)


 つまるところ、万が一にも誰かが獣化なんかしちゃって暴走したら大変だってことだよね。

 怪我人の手当ってのもあるか。


「どちらの部隊と訓練を?」


「第四部隊だ。獣化は行わず、実戦訓練を行う」


 一応精鋭部隊ってことで、一般の騎士たちとは交じって訓練をしないらしい。

 各部隊それぞれにフォーメーションとかあるから基本的には各部隊で自主訓練って感じなんだけど、時折ぶつかり合うんだそうだ。


 で、それが結構……こういってはなんだけど、ガス抜きっていうか、お互いに不満をぶつけ合うような意味合いが強いらしくて。


(はーん、つまり第四部隊(あちら)は戦場での勲功をほしいまま(・・・・・)にしている第五部隊が気に食わないし、第五部隊は自分たちばっかり前線に駆り出されることが不満なわけか)


 で、お互いぶちのめす機会を国が公式に与えていると。

 脳みそ筋肉でできてるのかな?


 いやまあ、そういう不満の解消にはもってこいなんだろうけどさあ!

 現在も戦時下にあって、ちょっとした平穏な日々を満喫しているから暇を持て余してんのか?

 そういうコトしている場合じゃナイと思うんですけどね!?


(まあ城の訓練場を使うっていうなら私にも都合がいいな)


 聖女長様にちょうどお会いしたかったんだよね!!

 いろいろと確認したいこともあるし。


 私一人だけで王城に行って面会を申し込んでもおかしな話じゃないけど、あんまり一人で出歩くなってアドルフさんにも言われているから……。

 王城からは少し離れている立地だけに、一人での行き帰りは危ないって心配してくれたんだよね。

 紳士で素敵。さすがアドルフさん!


 まあ聖女は他国から狙われているってこともあって危険だと思われているんだろうけど。


(……アドルフさんも気づいてたのかな)


 いや、気づかない方がおかしいか。

 何故この国が戦争で狙われまくるのかって話。


 獣化する人間、それは――言い方が悪いけど、人的資源として、周辺諸国は価値を見出している。

 もちろん人道にもとる理由なので、表向きは『獣人の国に囚われた神鳥』という名の貴重な生物を守るため、だとか。

 獣化する危険な人種だから、とか。

 まあそんな感じだ。


 その中で現われた『回復能力を持つ人間』なんてもっと欲しいでしょ。


 国内にスパイがいるかどうかはさすがにわからないけど、戦時の混乱だもの。

 いてもおかしくないって思うのが普通だし……前線じゃあボロボロの下級神官が行方不明になったなんて話も、ちょいちょい耳にしたもの。


 この国にいても使い潰されるけど、あっちの国に行って大切にされる保証もないんだよなって思うととてもくらい気持ちになっちゃうね。


「……イリステラ?」


「あっ、すみません。ぼーっとしちゃって」


「いや、疲れているなら今日の治癒はしなくていい。毎回言うが、俺にそこまで力を使ってはお前の疲労が……」


「それなら私も言わせていただきますが、アドルフさんが元気になることで他の方にも影響が出ているはずなんですから私にできることをさせてくださいね」


「……わかった。だが、無理はしないでくれ」


「はい!」


 でも、もうすぐなんとかなるからね。きっと。

 私はそんな気持ちを今日もたっぷりと愛情と一緒に込めて、アドルフさんを治癒するのであった。

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