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旅行先で出逢った少女

もうすぐ、本格的な夏がやって来るのに合わせ、始めました。


実際に経験したこともおりまぜる作品となっております。

高校に入学した初めての夏休みに家族旅行で佐賀県に訪れていた。

何故、佐賀県なのか分からないでいた。

ホテルに泊まっていたが、抜け出して波戸岬海水浴場に向かった。

陽は傾いておらず、ぎらぎらと陽射しが照り付けている。

日焼けを気にするたちではあるけれど、ホテルの部屋にこもっていても気が滅入るだけなので、せっかく美しい海が近くにあるのだから見ておこうと思い立ったのだ。

視界に入る全ての景色が新鮮に見える。


波戸岬海水浴場に到着し、よく分からない(モアイ像のような)二体の像が一本の道を挟んだ形でたち、出迎えていた。

そのさきに青い海が広がっていた。

14時過ぎで、遊んでいる人は数えられるほどだった。

砂浜に腰をおろし、青い海を眺めていると波打ち際で後ろで手を組みながら佇む制服姿の少女が気になってしまった。

着ている白のブラウスが濡れていて、透けてブラが露になっていたのが遠目からでもわかった。

俺は決してやましい思いで視線がいったわけではなくてだ。


長期休暇である夏休みに制服姿で波打ち際に佇むのはおかしいだろう。


声を掛けるというのも気が引けたので、彼女を観察することにした。

しばらくすると、いかにもな若い男性の三人組が彼女に近付いて、声を掛け始めた。


必死にあしらう彼女だったが見ていられず、彼女のもとに駆け出し、なんとか男性等に諦めさせた。

男性等にあしらわれそうだったが、なんとか穏便に済ませられた。


「ありがとう、キミ。物怖じして腰が抜けそうだったの、本当に助かったよ」

「お礼なんて。最初から助けに入らなかった奴なんです、責められるのが普通ですよ。本来なら」

「謙遜しなくていいんだよ。あの人達よりかはマシだよ。青少年だね、やっぱり」

「ごめんなさい......着替えは持ってないんですか?その、濡れたままっていうのは......」

「良いよ、謝らなくても。濡れないはずだったから持ってきてないんだ、替えの服を。言いたいことは分かってるよ......仕方ないよね、こんな格好なんだから」

ブラウスの胸もとを摘まみながら苦笑した彼女。

ミディアムショートの黒髪まで濡れていた。


「......」

「これは、悪戯っ子な連中に遭遇して、かけられて......だよ」

「酷いですよ、そいつ等」

「素性も知らない他人を思いって怒れる人ってそうそういないから嬉しい。青少年に逢えたことが」

「本音を言っただけですよ。大したことは──」

「卑屈にならないでよ。キミなら救ってくれるかな?私を」

引っ掛かる言葉を口にした彼女は、微笑んだ──強がった笑みに感じた俺だった。



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