詐欺師 2
国王に呼ばれた詐欺師は、早速パワーストーンを国王に渡した。
だが、国王は直ぐにその石に何らかの力が秘められていると見抜いたようだった。
『この場で魔法を使って見せよ』
国王は詐欺師にそう命じた。
意気揚々と、私を振る詐欺師。
しかしここで私の中でいたずら心が芽生えた。
この男は私が居なければただのチンケな詐欺師でしかない。
私は敢えて命令に背き、魔法を使わないでいた。
何時になっても魔法が発動しない。
詐欺師は焦り出す。ついには私をバンバン叩いて無理やり魔法を捻り出そうとした。
それにムカついた私は、敢えて超極大の火球を召喚してやった。
そして超伝説級の魔法、ドラゴンの息吹を召喚した私。
最強の魔王、ダークハーデスすらも消し飛ばす奥義だが私はここで一つ失念していた。
この魔法は、一度発動すると止める手段が無いのである。
そして、城は大炎上。
火は3カ月消えることなく、ようやく消えた時には城は影も形も無くなっていた。
詐欺師の男は国家反逆罪の罪で処刑された。
なお私自身は聖なる守りに護られて、火の中でも耐え続けた。
そして焼け跡から引っ張り出された後に、伝説の魔法使いが使っていた杖としてジークディーガスという名前を付けられた。私の名前はディスティニーレインだと何度言えば分かるのか。
どうやらディスティニーレインの名は死語になりつつあるようだ。。
その後、私が生み出したパワーストーンは世界各地で秘宝として崇められているらしい。
また聖水は、天使の涙という川の水には似つかわしくない名前を付けられて聖なる秘薬と呼ばれてるとか。
因みに聖水によって復活した老婆は150歳まで現役ボディービルダーとして活躍し、パワーストーンの加護を受けた村人はキング・オブ・ホストと呼ばれて伝説の男になったらしい。
その後私は詐欺師の男の手から離れた後にとある拳闘家の手に渡ることになった。
だがそれは別の話。ではまたお会いしよう、アディオス。