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オークション

私のオークションは1000万ゴールドからスタートした。

世界最強の杖を求めて、世界中から資産家たちが一斉に値段を吊り上げ始める。


最初に手を挙げた男は、2000万ゴールド。

次は指中に気色の悪い指輪をはめた貴婦人が2500万ゴールド。

デップリと太ったシルクハットの男が一気に4000万ゴールド。


1億、2億、10億。

上がり続ける私の価値。

そして遂に、落札の時が訪れた。


私の値段は26億ゴールド。

下手をすれば小国が一つ買えるほどの金額に決まった。

落札したのは大国の王族の一人。名前は忘れてしまった。


どうせ、また飾りになるだけなのだろうと私は俯瞰していた。

今度表の世界に出てこられるのは何十年後か。私はまた、終わりのないしりとりに耐えなければならないのか。

いっそ今度は早口言葉に挑戦してみようか。生麦生米生卵、隣の客はよくきゃききいいうぞじゃsぽ@j…成程、練習する価値はありそうだ。と思っていた矢先のことである。


何と落札した王族は、私を隣のまだ10歳にもならぬ皇子に渡したのだ。

彼は言った。私の息子が魔法を覚えたがっている。だから、彼のために世界最高の杖であるディスティニーレインを落札したのだ、と。


それを聞いた私の気持ちは『あっそ』だ。

最高峰の杖のプライドとかは、私にはない。主人として決まった人間に尽くすのが私の使命であり、それが存在理由だからだ。


ということで、早速皇子はその場で杖を振った。

確か呟いたのは『お星さま降ってきてー!』とかそんな内容だった気がする。


私は、お望み通りに行動した。

主人のお望みを叶えるために私は、いんせきを降らせて見せたのだ。


その後のことは、私もあまり記憶していない。

確か王国の半分が隕石で吹き飛び、私の主人だった王族はその賠償で破産したとか。

そして危険すぎる杖として結界やら呪術師やらに数百年くらい封印された。


暇だったので私は、その間早口言葉の練習をした。

今では古今東西、ありとあらゆる言語の早口言葉を出来るまでに成長している。


その後私はいろいろあって、とある民家の少女の手に渡るのだがそれはまた今度だ。

ではまた次の話でお会いしよう。アディオス。

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