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龍の食事

世界に光が満ちる時、影もまた生まれる。


闇より出でし者、しかし魔ではあらず。


さぁ、龍よ。


世界を導け。


エルフ達がここに来て早くも1週間が経った。そしてこの1週間の間で村ができた。


家は大量にあった木材でログハウスを作っていた。本職が顔負けするような立派なやつだ。


さらに俺の寝床も作ってくれた。現在の俺の体長は4メートル程、それに合わせて作ってくれた。床には俺が狩ってきた獣の皮を敷いている。


村の人数は僅か50名。襲撃される前は200名ほどいたと言う。


まぁ何にせよ、ここにいる者は俺が守ると約束したから大丈夫だろう。


さて俺は俺でやりたいことをやろう。


最近は魚ばかり食べていたからそろそろ肉が食いたい。なので今日は狩をしよう。


まずは俺のスキル、検索で近くにいる魔物を探す。するとここから50キロ程北上したところにある山にワイバーンが住んでいることが確認できた。ワイバーンはとても好戦的らしい。今日の晩飯はワイバーンだな。


「神龍様どこかに行かれるのですか?」


話しかけてきたのはアーデルハイトだ。


(どうかしたのか?)

「少しお願いがありまして。」

(なんだ?)

「村の者達で狩をしたいと思いまして、もしこれから狩りに行かれるのでしたら、ご一緒させて欲しいのです。龍神様には守っていただいてますので少しでもお手伝いがしたいのです。」


なるほどなぁ。でも今から行くのは徒歩だとかなり遠い場所だし、ワイバーンも危険だ。どうするべきか…。


俺は一旦スキルを見直すことにした。さて使えるスキルはあったかな?


名前 ルミエール・ラム・ドラグイユ (レーベ)

種族 光刃龍

Lv 48

筋力 17490 (S)

耐久 20570 (S)

俊敏 16310 (S)

魔力 162860 (S)

光力 369470

スキル 光刃 龍の王 空の王 水の導き 検索 千里眼 水魔法 光魔法 聖魔法 空間魔法 結界魔法 全魔法耐性 精神耐性 不老不死 人化 怪力 自己再生 暗視 気配察知 隠密 魔力感知 魔力操作 畏怖


さて、見てわかる通り俺には新たに3つのスキルが手に入った。光魔法と聖魔法はレベルが上がったから手に入ったと推測している。いつのまにかスキル欄にあったから最初は驚いた。


光魔法と聖魔法の違いは、光魔法が攻撃とバフをかけられる。そして聖魔法は回復と防御が主だった。別に防御なら結界魔法でいいだろうと思っていたけれど、実際に使ってみてその違いに気付かされた。


結界魔法は魔法陣を必要とするが、聖魔法は魔法陣が要らずすぐにバリアを張ることができた。戦闘にはもってこいのスキルだ。


そして畏怖は1週間前の戦闘の時に手に入っていた。気づいたのは翌日だったが。


畏怖……対象を恐怖に陥れる。ただし自分よりレベルが高い場合レジストされる。


今回のアーデルハイトのお願いは、空の王と光魔法、聖魔法、畏怖を使えばいいだろう。今回の作戦をアーデルハイトに伝えてみると物凄く感謝された。


今回同行するのは10名の若者達。まぁエルフの若者達といっても、50歳は過ぎているだろう。


エルフの平均寿命が300歳前後。そしてハイエルフの寿命はない。と言ってもただ寿命がないだけで、寿命以外の死に方をすれば死んでしまう。ただ俺の場合は不死がスキルになっているため死ぬことはないだろうと推測している。


これはアーデルハイトとこの1週間話し合った結果だ。アーデルハイトはよく俺の話し相手になってくれる。前世ではこんなに話しかけてくれる人もいなかったし、そもそも嫌われていたからな。だからか、いつも長く話してしまう。


だいぶ話が逸れてしまった。これからこの10名のエルフと一緒に北の山まで行く。どうやって行くかなんだが、実は俺の空間魔法のアイテムボックスに入ることができた。


なのでアイテムボックスに入ってもらって、北の山に到着したら出してやればいいだろう。


というわけでやってきた北の山。ここにワイバーンが住んでいる。目標数は俺が5匹、エルフが1匹だ。


エルフ達に武器は弓と槍を装備させている。槍は村に鍛冶ができる人がいたので作らせた。鍛治の腕は親から受け継いだそうだ。


そして今回の作戦。まずは俺が1匹を残して他全てのワイバーンに畏怖を使ってこないようにさせる。そこで俺は空の王の能力を発揮させワイバーンを墜落。下では俺がバフを積めるだけ積んだ10人のエルフ達が待っている。


これが俺の考えた安全な戦い方。もちろん俺も随時聖魔法で回復させる予定だ。


こんな戦い方にしたのはちゃんと理由がある。そもそもレベルが低かったし、ここにいるのは若いエルフ。つまり武器を握ったことがない奴ばかりだ。だから安全策をとった。


それじゃあ始めるとしよう。


まずは注目を集める。


「グルォォォォォォォォ!!!!」


するとあちこちから「ギャウ!ギャウ!」と聞こえた。俺はすかさず1匹を残して畏怖を発動する。


すると1匹以外のワイバーンが反転し逃げて行く。


残った1匹は俺に向かってくると、突然墜落した。俺の空の王が発動した証だ。


そして落ちた先でエルフ達が攻撃を開始した。


弓で、槍で攻撃を繰り返すこと1時間、遂にワイバーンを倒すことができた。


倒したワイバーンは俺のアイテムボックスに収納し、エルフ達にはここで休むように指示を出した。アーデルハイトとともに決めたことの1つだ。決まったジェスチャーで指示を出せるようにした。これはアーデルハイトから言い出したことだ。


エルフ達が安全に休めるように結界を張り、俺は自分の分のワイバーンを獲りに行く。周りのワイバーンに畏怖を使って時間が結構経つがまだ近くに何匹かいるようだ。それを狩るとしよう。


俺はワイバーンの下まで飛んでいき、光力を使って光の剣を作成する。この光の剣は俺の光力がなくならない限り無限に作ることができる。光の剣、略して光剣を使ってサクサクとワイバーンを狩っていく。


10匹程狩った辺りでエルフ達の元に戻る。


そこでエルフを回収し、村に戻る。


そして夜。


村で美味しくワイバーンを頂きました。


暗い森の中。1人の少女の姿があった。真っ黒なワンピースを着こんでおり、髪は黒髪でロングストレートだ。ただ眼だけが紅く輝いている。


「あぁ、お兄様どこにいますの…?早くお兄様に会いたいわ…。」


そう呟くと少女は移動を始めた。


スカーレットが治める国、アイルラーゼン帝国。その皇宮では今会議が行われている。


「五〇三魔導航空部隊が帰ってこないだと?」

「はい。彼らがキュクロ大森林奥地に向かい、既に1週間が経過しております。」

「やはりあの光で何かが起きたようだな…。」

「陛下、もう一つ報告がございます。」

「なんだ?言ってみよ。」

()()が完成しました。」

「「「おぉ!」」」


彼の発言で会議室がざわめき出す。


彼はスカーレットの参謀を務めている、ローレンス・ギルバート侯爵だ。


「遂に完成したか。」

「これでさらに領土を広げることができますな!」

「陛下のおかげでこの国も安泰ですな!」

「静まれい!」


スカーレットの一喝によって会議室のざわめきは無くなった。


「次の目標は大国、ダバード王国!皆心してかかれい!」

「「「「はっ!」」」」


世界は廻り出した。


輪廻という歯車が。

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