龍はエルフに出会う
スキル人化を擬人化に変更しました。4/4
俺が初戦闘を終えて、湖のほとりに拠点を移してから、2日が経った。俺の身体が成長して今や全長5メートルほどになった。謎だ。
それからこの2日間で俺は色々と試して新しくスキルを手に入れていた。これが今の俺のステータスだ。
名前 ルミエール・ラム・ドラグイユ (レーベ)
種族 光刃龍
Lv 17
筋力 14630 (S)
耐久 17460 (S)
俊敏 13860 (S)
魔力 128270 (S)
光力 67580
スキル 光刃 龍の王 空の王 水の導き 検索 千里眼 水魔法 空間魔法 結界魔法 全魔法耐性 精神耐性 不老不死 擬人化 怪力 自己再生 暗視 気配察知 隠密 魔力感知
怪力と自己再生はタコの魔物を倒して食べたらステータスにあった。魔物を倒して食べるだけでスキルを獲得できるなんて最高だな。
暗視と気配察知、隠密、魔力感知は検索でスキル一覧を出して見つけた。なかなかに使えそうだったので、頑張って習得した。
今日は水魔法を使ってみようと思う。前回の戦闘ではブレスだけで終わってしまって、まだ検証ができていない。なので今日は水魔法であそ……検証してみようと思う。
タコのステータスを調べたときに、水魔法にはⅣが付いていた。おそらくスキルにもレベルがあるのだろう。それも合わせて確認していきたい。
まずはどうやってレベルを上げるのかだな。検索。
検索すると目の前にウィンドウが現れた。検索する対象がない場合はこうやってウィンドウが現れるのだ。
ふむふむ…。どうやら熟練度というものをあげるとレベルが上がるらしい。だが前に水魔法を調べた時は、そんなものはなかった。何故だ?もう一度調べてみるか。
水魔法……水魔法を行使可能。魔力の消費量によって威力が変わる。
やはり無いな。まぁ、とりあえず魔法を使ってみよう。
まずは自分の中にある魔力を意識する。すると光刃と似たようなものを発見、おそらくこれが魔力だろう。これを自在に動かせることができれば、魔力操作が手に入るはずだ。これを手に入れることで魔法が楽に、正確に使えるようになる。
2時間ほど粘り続け遂に魔力操作を獲得した。
名前 ルミエール・ラム・ドラグイユ (レーベ)
種族 光刃龍
Lv 17
筋力 14630 (S)
耐久 17460 (S)
俊敏 13860 (S)
魔力 128270 (S)
光力 68350
スキル 光刃 龍の王 空の王 水の導き 検索 千里眼 水魔法 空間魔法 結界魔法 全魔法耐性 精神耐性 不老不死 擬人化 怪力 自己再生 暗視 気配察知 隠密 魔力感知 魔力操作
さぁ、これで水魔法を使ってみよう。まずは初歩のウォーターボールから。
魔力を練り上げ、目の前に(龍の)拳大の大きさの水の塊ができた。今度はそれを槍状にしてみる。それを近くにあった俺と同じぐらいの大きさの岩にぶつける。すると岩に突き刺さり、砕け散った。
成功だ。威力も申し分ない。さぁ、次は大技に挑戦してみよう。
水魔法で最上位の技が超広範囲を凍てつかせるアブソリュートゼロ。これを使うことができれば、俺の魔法スキルにはレベルがないことがわかるだろう。
集中して魔力を練り上げていく。どんどん魔力が消費されていくのがわかる。さすが水魔法最強と言われるだけの魔法だ。そして準備が整った。湖に向けて放つ。
広大な湖の半分ほどを凍て付かせた。冷気がこちらに届く。石を凍った湖の方に投げてみると、石は完全に凍ってしまい最終的には粉々に砕け散った。
アブソリュートゼロを放ってから気づいたことだが、これはどうやら持続型のようだ。効果は30分程だった。しかも今回は通常の魔力を使ってアブソリュートゼロを使ったが、さらに魔力を使えば時間は伸びるだろう。
魔法って楽しいな。
そろそろ昼飯の時間だ。昨日と一昨日はタコを食ったから、肉を食いたいな。探しにいく…?なんだ?何かがものすごい勢いで、こちらに向かってきているのを魔力感知で発見した。
確認のため空の王を発動し、空に浮かぶ。そして、見つからないように光刃を上手く使って、光の屈折で俺の姿が見えなくする。勿論隠密も使っている。
そして見えたのは戦闘機がこちらに向かって飛んできていた。魔力を発しているのは今見えている戦闘機からだ。
何故戦闘機が?ここは異世界のはずなのに…。この世界は人間の技術が発達している?まさか俺と同じように転成してきたやつがいるのか?
そんなことを考えているうちに戦闘機が近づいてきた。
さぁ、ここで1つ考えてみよう。俺は今空の王を発動している。空の王は俺から半径100メートルを俺の支配域とし、俺が許可しない限り飛行することができなくなる。戦闘機が近づいてくる。勿論俺は戦闘機が飛ぶことを許可していない。
俺のスキルにより凄まじい勢いで戦闘機が墜落していく。全部で4機だ。こんなところで空の王の力を確認することができるとは、いい収穫だったな。
墜落した戦闘機を見にいくと、バラバラになって壊れていた。この壊れ方なら生存は難しいだろう。というか火薬でも積んでいたのかかなり燃えている。全く、もっと自然を大事にせんかー!
消化しながら戦闘機を検索してわかったことがいくつかあった。1つ目はこの戦闘機は魔力を使って飛んでいるから、地球の戦闘機ではないこと。2つ目がこの世界はかなり技術が発達していること。3つ目が、転生者がこの戦闘機に関わっていなことだ。つまり俺の他に転生してきたやつは今はいないと思っていいだろう。4つ目は確実にこいつら意外にもいるはずということだ。
俺は魔力感知の感知距離を最大限まで伸ばす。俺の魔力感知の感知距離は100キロまで。100キロまで伸ばすには莫大な魔力が必要だが俺の魔力量ならいける。
……やはりだ。奴らがきた方角から西側にこの戦闘機と同じ魔力を見つけた。全部で8の魔力反応。さらに上空から見るかぎり西側には火の手が上がっている。一体何が起きている?
俺はそちらの方に全力で飛行する。俺が全力で飛行すれば20キロや30キロの距離なんて一瞬で移動可能だ。移動した先には集落があった。木で作られた家が凄い勢いで燃えていく。恐らく、これをやったのはさっきの戦闘機だ。その戦闘機は俺が近づいたことにより、墜落を始めている。
さて、この集落は人間の集落ではなさそうだ。なぜなら逃げずに避難誘導をやっている男たち、それからその中で一際魔力量が高い者がいる。全員の耳が長い。ここはエルフの集落だ。
……どうしようか。俺は人と関わりを持ちたくない。関わりを持ちたくないからこそ、俺は森で過ごすことにしたんだ。エルフは信用することができるのか?……いや、ここでガタガタ言ってられないな。俺は俺の勘を信じるとしよう。俺の勘は大丈夫と言っている。ならばエルフ達を助けようではないか。
俺は光刃と隠密を解除し、姿を現す。
「グルォ!」
俺の姿を見たエルフ達がさらに慌てだした。それはそうだろう。自分達の集落が燃やされ、さらに龍が現れたんだから。
俺はエルフ達のことは気にせず、火を消すための魔法を構築する。今回の魔法は俺のオリジナルだ。既存の魔法にはこの火事を消すことはできない。全部威力が高すぎるんだ。だから俺は魔法を構築している。勿論作り方は検索した。
……できた。あとは魔力を流すだけだ。この魔法は持続型にしてある。なので1時間に設定してある。この魔法はアクアシャワーとでも名付けよう。雨を降らせる魔法だからアクアシャワー。安直だが大丈夫だろう。
魔力を通してアクアシャワーを発動。これで村の火も消化できるだろう。俺はもう戻ろう。そういえば墜落した戦闘機があったな。回収して研究材料にしよう。あれは時速100キロは出ていたはず。ものすごいGがかかるはずだ。それにどうやって耐えているのか調べてみよう。
「お待ちください!」
俺が戦闘機を回収しに行こうとした時、一際魔力量が多いエルフの少女に呼び止められた。
「おやめくださいアーデ様!危険です!」
少女の方を見ると数人の男達が少女を守るように弓を構えていた。さてどうしたものか。攻撃されたら容赦なくこの辺りを焼き払うが…。
「!?皆さん待って!攻撃しないで!弓の構えを解いてください!」
「しかし…。」
「いいから!早く!」
俺の心を読んだかのように、少女は周りの弓を構えているエルフに武器を下げろと言っている。ふむ、謎だ。
「神龍様!私はアーデルハっ!?」
少女の言葉は最後まで話すことはできなかった。なぜなら俺が一瞬で少女達を守るように翼で囲ったから。
俺は魔力感知と気配察知で気づいていたが、少女達の方は気づいていなかったようだ。近くの茂みには1人の男がいたのだ。拳銃を構えて。男の撃った弾は俺の鱗に弾かれてどこかに飛んで行った。
俺はそのまま光刃を発動し、光の剣を生成する。光の剣を男に向けて真っ直ぐに向かわせる。
「くそが……くそがああああああ!!」
光の剣は男の心臓に突き刺さり絶命した。
さて、男の持っていた拳銃は貰っておこう。
「神龍様!助けていただきありがとうございます!」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
少女がペコリと頭を下げると(恐らく)護衛達も頭を下げてきた。まぁ、助けたのは目の前で死なれると夢見が悪いからなんだがな。それからさっきから神龍様って呼んでるけど俺って神様なの?俺いつ神になったの?
「神龍様自信を持ってください!その透き通るような光り輝く鱗!凄まじいオーラ!我々エルフの里に伝わる言い伝え通りです!」
ちょっと待って、さっきから気になっていたがお前まさか俺の心を読んでるのか?
「その通りです!私のスキル、心読で喋ることができずとも会話が可能です!」
は?
名前 アーデルハイト
種族 ハイエルフ
Lv 47
筋力 760
耐久 740
俊敏 640
魔力 2470
スキル 弓術Ⅴ 千里眼 風魔法Ⅴ 精霊魔法Ⅴ 魔力操作 魔力感知 天の導き 心読 調合 隠密
心読……対象の心の中を読むことが可能。会話も可能。ただし高い知能を持つものが対象となる。
天の導き……幸運補正100%上昇。天候操作、結界魔法を使用可能。魔力消費無し。
……天の導きって俺の水の導きと同じシリーズだよね?差が大きくない?まぁ、なぜお前と俺が喋れるのかはわかった。それで俺を呼び止めて何がしたかったんだ?
「神龍様差し出がましいことですが、我々エルフを助けてください。我々にできることならなんでも致します。どうかお助けください。」
これは俺の勘だが、このエルフ達は信じれる気がする。
(……わかった。俺はお前達を信じる。俺がお前達を守ってやる。だから絶対裏切るな。これが条件だ。)
「ありがとうございます!村のみんなは私が責任を持ってまとめ上げますのでご安心ください!」
少女の後ろの方から歓声が聞こえてきた。恐らくみんな不安に思っていたのだろう。村は燃やされ、行くあてもないような状況だったのだ。
(さて、お前達を守るのはいいが、この場所はどうする?またここに家を建てるのか?)
「はい、また一からの作らないといけません。ですがエルフには精霊魔法が使えるので1週間もあればできます!」
1週間で家建てれるのか…。さすが異世界。
(一から家を建てるのなら俺の拠点の近くに引っ越すことは可能か?)
「大丈夫です!私達は神龍様に守ってもらう立場なのでなんだってしますよ!引越しも大した手間じゃありませんし。」
(わかった。ここから10キロ離れた場所に湖があるのは知ってるか?)
「知っていますがあそこはスピーゴラが居るので危険ですよ?」
(スピーゴラ?………ああ、あのタコか。そいつなら食ったぞ。)
「流石神龍様です!あのスピーゴラを倒しているなんてすごいです!」
(あいつそんなに強いのか?全然大したことなかったが…。)
「スピーゴラは大量の触手を使って、獲物を追い詰め捕食するのです。その触手も力が強すぎて一度捕まれば逃げ出すことは不可能なんです。」
触手…。スパスパ斬ってた記憶しかない…。
(まぁ、スピーゴラは置いといて、湖の近くに村を建てるといい。あの辺は魔物もあまり出ないしな。)
「神龍様、それは多分神龍様を恐れて出てこないだけだと思いますよ?」
え?そうだったの?まぁ、いいか…。
「それでは神龍様、私達は湖に向かいますね。2時間もあれば湖には辿り着けます。」
(わかった。俺は先に帰るからな。)
「はい。本当に助けてくれて感謝します。」
そして俺は空の王を発動して湖に帰っていった。
俺があのエルフを信用しようと思った理由はわからない。もしかしたら俺は一人で寂しかったのかもしれない。
さぁ、帰ったらまずは腹ごしらえだな。