30 シャローン ルミと拓哉の関係に揺れる想い・・・・
30 シャローン ルミと拓哉の関係に揺れる想い・・・・
30-Finder
「シャローン! すまなかった!」
「君を守れなくて・・・・危険で悲しい思いをさせて・・・」
「ううん・・・平気よ! 私そんな柔じゃないし・・・・」
必死で・・・零れ落ちそうな涙を、ずっと堪えながら・・・
拓哉に心配をかけまいと気丈に振舞う!
その姿は痛々しいくらい・・・
「そうか! 有難う・・・・医者が3日ほど休んだら・・・・」
「大丈夫だろうって・・・ それで良いかな!?」
「はい! 頑張ります!」
「それじゃ・・・・あさって、東京に移動しよう!」
「あの・・・・私・・・・元気です! もう!」
「そんなに無理するな!」
ずっと、傍で話を聞いていたルミ、思いがけない事を言い出した。
「ねぇ・・・拓哉 ヘリまだ返してないのでしょ!?」
「・・・あぁ・・・明日返す予定になっている・・・が!?」
「ねぇ・・・シャローン元気そうだし、Drに聞いてみたら?」
「それって・・・・ わかった! 相談してみる!」
そのまま拓哉、先ほどの医者に確認に出かけた、ナースセンターへ!
2分待たされて先ほどの医者がやって来た。
そして何やらまた親密な話をして、ルミ、シャローン、ローラの待つ病室へ、
戻って行った。
「医者の許可が下りた!」
「それに、その移動のほうが・・・・」
「シャローン姉妹には良いだろうって・・・」
「わぁ・・・・それで明日早朝ですね!」
いつの間にか、沢田がやって来てローラの傍で寄り添っていた。
あれから沢田は、ずっとローラの傍で彼女の面倒を見ていた。
その後拓哉は、フライトプラン変更の特別許可をある方面の伝で、
了解を得た。
途中名古屋で給油して、東京へ向かうプランだ。
ルミもそれに便乗した。
それにより、ルミはその後のスケジュールがスムーズに行く。
拓哉の操縦するヘリに乗るのも悪くない。
いいや、暫くぶりで拓哉の傍で彼と同じ空気が吸える。
それは、きっとあの日以来だろう・・・・・
拓哉の運転する車がスカイラインGTR。
その助手席にルミは座っていた。
そうよ、あの時に免許証を返した。
とっても初心で、懐かしい記憶が蘇る。
あんな気持ち生まれて初めての気持ち・・・・・まるで新鮮だった。
どんな人たちより・・・・・、そう、ルミに振り向く男なんてたくさんいた。
それなのに、目いっぱいのお洒落をして・・・露出も限界まで・・・・
彼女の抜群のプロポーションを強調するような、素晴らしいラインが強調され、
しかも、上品と言うより華麗な服装。
センスにも自信があり、彼女のふくよかで整った胸の谷間も、
許される範囲の、ぎりぎりまで露出。
スカートもかなり短め、ウエスト25センチの所で、
最高にお気に入りの、3段になったフレアスカートで・・・
時折見せるルミ独特の挑発にも・・・・、
例えば・・・・脚を組み替える時、ちらりと見える太もも!
それは“メチャクチャ男心をくすぐる。” はず!!
それなのに、拓哉は車の運転に集中で、ルミは範疇にない!
その日、拓哉が迎えに来てくれた時とは、まるで別のテンション。
あんなに男を振り向かそうと・・・・そう、必死で・・・・・・
あんなに、男に・・・・・拓哉の顔と雰囲気に完全に呑まれて、
自分を見失ったの・・・・・初めての経験だった。
男なんて・・・振り向かすの、簡単な筈だった・・・・
それなのに、拓哉はつれなかった!
車の運転に夢中で・・・それについ見とれている自分を知った。
男はまず隣に魅力的な女性がいると、何とか気を引こうと、
やたら多弁になる。
あの時の拓哉がハンドルに思いを込めて・・・、
GTRに語りかける様に・・・・そんな様子が是非見たい!
今度は上空自由に飛ぶヘリを操縦する姿を・・・・・・
今思うと・・・あれが拓哉にマジで恋した・・・・・
恋の始まり・・・・・・
GTRのハンドルを、まるで恋人の肩をやさしく抱くようにして、
そのハンドルを握る・・・・・、ゆったりと、スマートに、楽しそうに運転していた。
そう、まるでルミの存在を忘れてしまったかの様に!
ヘリも良いが、いつか拓哉の操縦するジェット機に乗りたい・・・・かな?
そんな事を考えていると、副操縦席にいる二宮が隣に座るか、
手で合図している。
きっと、二宮には私の想像を読まれた・・・・・そんな感じだ。
「うん!」、と合図して席を移動した。
眼下に広がる日本列島の上空、旅客機からの景色では、
離陸する時と着陸する時の景色がずっと見渡せる。
それは、爽快な気分だ!
「わぁ・・・・・・凄いわね!」
「まるで・・・自分で操縦している気分!」
「そうだな! 日本地図の本州のページだ!」
「本当・・・・最高に綺麗・・・・日本地図だわ!」
遠慮がちに、拓哉の話に乗る。
やはり遠慮している。
シャローンに・・・・
あの時、拓哉は何気なく言った言葉が蘇る。
“車以外にジェットも、そうエアーパイロットのライセンスも取得している、
ついでに、他にもいくつかあるとか・・・!“
そして、その時の情景も、しっかりと完全コピーされた情景と、
その時の気持ちも・・・・
“たまに鈴鹿で、現役レーサーと遊び半分で、レースを行う!”
“もちろん勝てるわけないが、いい勝負をする!”
「この先に少しいやな雲、気圧の変化がある!」
「・・・・・・」
「二宮、助手席に戻れ!」
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