29 シャローン ルミと拓哉の関係に揺れる想い・・・・
29 シャローン ルミと拓哉の関係に揺れる想い・・・・
29-Finder
シャローンはルミの言うことは良くわかる・・・・
拓哉が言っていた都心の駅の通路、地下街をジャックする。
それも私の映像で・・・・拓哉が撮ってくれた映像が・・・・
シャローン、ルミの説得良く解かる。
でも・・・私に・・・私にはそんな資格、もう無いのでは・・・・
あの時の最高に嬉しいシーンが蘇る・・・・・・
“実は・・・・ね!”
“君を化粧品メーカーが起用したいって!”
“そう、化粧品だ!・・・・大手の!”
“それも、大々的に!”
“いぃや! 事実だ!”
シャローン夢見心地で、それに返事した・・・
“それ・・・最高に嬉しいけれど・・・・私で!”
“私で・・・良いの? ルミさんじゃなくて!?”
“ああ、君を起用したいと!”
“それも…・・大々的に だ!”
心躍らせながらシャローン拓哉に聞き返す!
“どんな風に!?”
“そうだな・・・暫く君のポスター、動画が・・・・・・”
“東京をジャックする!”
“そうだ! 都心のJR主要駅、そしてメトロの地下通路に!”
“一斉に流れる!”
“およそ、1週間な!”
それは夢のようなビッグな・・・とてつもない規模の話だ!
世界が変わる・・・・シャローン中心で回る!
シャローンの顔が・・・日本中の大型液晶画面に映し出される。
最高の話で・・・・浮かれていたそんな時に、
拉致誘拐されて・・・・
そして・・・あの男に、・・・・犯された!?
「シャローン・・・どうしたの?」
黙ったまま、遠くを見つめるシャローン。
ちょうど窓の枠に、先ほど拓哉と見た月がきちんと入って・・・
それをじっと見つめていたシャローン!
「・・・・・でも・・・私!」
「私にはそんな資格もう・・・・無いです!」
「えっ・・・・・どうして?」
そう言ったすぐ後に、拓哉と医者が神妙な話をしていたのが蘇る。
そうか・・・・拉致されている間にシャローンの身に何か・・・・
それで・・・・自ら身を引くような行動・・・態度に!
どうして!?
シャローンが惨め過ぎる。
こんな時にシャローンとルミ拓哉を巡って、
お互いに競争相手なはず・・・
どちらもその気持ちはあるが・・・・
それ以上に二人の仲は良い。
ルミにとって、この様な境遇は2度目になる。
あの思いはもうしたくない・・・
もう人を悲しませるなら・・・自分が引こうと決めていた。
ならば、シャローンを、シャローンの気持ちを最優先させて・・・・、
どうすれば、シャローンの気持ちを和らげる手立てがあるの・・・
シャローンがルミの事を信頼してくれるなら・・・
きっと事の次第を話してくれる! きっと!!
ルミ、自らの気持ちを静めて・・・・シャローンに問いかける!
「ねぇ・・・・シャローン!」
「・・・・・・・?」
「私たち、本当の親友よね!」
「・・はい!」
「・・・なら・・・話して・・・全て!」
シャローン、ルミの自分を見つめる真剣な眼差しに、
警戒感を見せる。
そして、どれ程、日本に来てルミに救われているかを考えている。
シャローン、意を決して!
「わかりました!」
「私、ルミさんになら・・・・何でもお話します!」
「そう・・・有難う!」
「実は・・・・・私・・・・・きっと!」
「犯された・・・と!」
「・・・・・拉致されている時!?」
「はい・・・・何か飲まされて・・・」
「夢の中で、あいつに・・・」
「・・・・・そう・・・・それは何と・・・言えば!?」
「だから・・・・私・・もう、だめです!」
やはり・・・その事が・・・・!?
「・・・・・・大丈夫!」
「拓哉はそんな事気にしないと思うよ!」
「そんな事・・ありえない!」
「多分、拓哉のこと・・・私の方が知ってると思う!」
「・・・・・・?」
その考えはシャローン、流石に言い返せない!
キャリアの違いは認め、シャローンそれ以上反撃の言葉を失う。
その間でルミは更に続ける!
「ね! シャローンその話私だけに止めておいて!」
「はい、勿論今の話拓哉さんに絶対言えません!」
「そう、言わなくていいと思う!」
「ね、貴方のチャンス、そして 拓哉のチャンス、頑張らなくちゃ!」
「・・・・・本当に、良いのですか?」
「勿論・・・よ!」
「さぁ、元気出して!」
「・・・・・・」
「私、拓哉呼んでくるから・・・・」
そう言ってルミはシャローンのもとを離れて、
外に出た。
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