24 奪回に成功!シャローン姉妹のその後・・・・
24 奪回に成功!シャローン姉妹のその後・・・・
24-Finder
「拓哉です! 彼女たち無事救出しました!」
「そうか・・・・それは良かった!」
「はい、お手数をお掛け致しました!」
「君も無事で・・・・安心した!」
「また何かあったら連絡したまえ!」
「はい、数々のご配慮、心底感謝致しました!」
「・・・・では!」
拓哉先ずは、無事彼女たちを救出出来た事を、
あのご老人に報告した。
その電話を切った後直ぐに着信が・・・・・・
ルミからだった。
何処から聞きつけたのか、それとも女の・・・感か!
「拓哉、シャローン姉妹は・・・・・・」
「あぁ・・・無事救出出来た!」
「本当! よかった・・・・!」
「あぁ・・・・・大丈夫だ!」
拓哉の返事の間が気になり、ルミはさらに拓哉に・・・・
「何か・・・・あったの? 返事がおかしい!?」
「本人達は強度の恐怖と、密室に閉じ込められ、脱水症状がある!」
「だが、今医者に診てもらっているから・・・・・」
「そこ・・・何処!! 私今から行きます!」
「えっ・・・・・時間取れるの?」
「何とかする! わ!」
ルミははっきりと言い切った。
そして、九州のその病院へ急遽向かう。
どうしてもシャローン姉妹の顔が見たくて・・・・
ルミはスケジュールの調整をして、新幹線の最終に間に合わせた!
「拓哉・・・」
「シャローン! もう心配しなくて・・・いいよ!」
「・・・・う・・ん!」
救急搬送され医者の診察を受けた。
今、シャローン姉妹は点滴をしている。
ソリタT3 500mlの点滴に、安定剤を入れたバックが、
もう終わろうとしている。
そのまま持続で栄養剤を入れた点滴が続く。
シャローンは少し眠り、意識がゆっくりと戻り拓哉を見つめている。
妹のローラも今、同じような状況で、沢田が傍に付いている。
ローラの方が少し元気そうだ。
意外と回復が早く、沢田と楽しそうにしている。
ルミが着いた!
いかにも、ボデーガードと言ったボデーガードが、
ルミの前と後に・・・・
静まりかえった救急病棟の廊下を、長くスラリと伸びた脚を、
濃紺のミニスカートに包み、シュ・・シュ! シュシュと機敏に・・・・
早足で歩く姿のルミが拓哉の目に入った。
拓哉、先ほどの医師と何やら話を廊下でしていた時に・・・・
「拓哉・・・・!」
と、軽く右手を上げ、声を掛けて・・・・、
拓哉の指で指示される病室に、そのまま向かった。
看護師詰所には拓哉が、話を通しておいた。
ボデーガードの一人は、ドアを開けて中を見て、
安全を確認してから、ドアの外で待機している。
スッと立つ姿、その姿は本物だ。
例えどんな敵が来ようと、一歩もこの先は通さない覚悟が見える。
ルミはそっと、静まり返った救急病棟の一室に入りベッドに近づく。
消灯された部屋に足音を忍ばせて・・・・
シャローンの長く金色に輝く髪に手を・・・手ぐしで撫でる。
「シャローン!」
かすかに囁くようにシャローンの名を呼ぶ。
それに気づいたのか,シャローンが反応した。
「ルミさん!」
ルミのその手に触れて答える。
「良かった・・・・無事で!」
「はい・・・・」
「拓哉さんが・・・助けに来て・・・・」
「そう・・・良かったわね!」
先に涙したのはルミだった。
その涙は外から漏れる光に反射して・・・・
そしてもう一度、
「良かった! 本当に無事で!!」
「・・・・・・う・・・ん!」
ルミの涙に負けて、シャローンは始めて流した・・・・涙を!
じっと我慢していた。
拓哉にも見せないでいた涙を・・・・今流す!
安堵感が,ルミを見た時からシャローン時制が効かなくなった。
「ローラも・・・・・無事ね!」
「・・・・は・・・い・・・」
「そう・・・、良かった! 本当に良かった!」
「・・・わぁ・・・・」
シャローンの美しい瞳から・・・・
涙がどっと溢れて、止めどなく・・・溢れる!
きっとこんな時に,言葉は邪魔に・・・・
要らない・・・・どんな慰めのフレーズも!
ルミは改めてシャローンを抱きしめた!
優しく・・・優しく・・・・そして強く!
きつく・・・愛のこもったその腕で・・・・
「ルミさん・・・・ありがとう!」
「・・・・・・・・」
ルミの思い出が・・・・
あの時の沙霧の思いが蘇って・・・・
涙が止めど無く流れ・・・・・・止まらない!
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