23 誘拐、奪回に成功!シャローンの記憶が・・・・
23 誘拐、奪回に成功!シャローンの記憶が・・・・
23-Finder
拓哉、この現状を、受け入れ病院の医師と話をしている。
ヘリは最短距離で、目的の救急病院のヘリポートへ向かっている。
「そうですか!」
「了解しました!」
「で、点滴は?」
「ありません!」
「では、水分補給を多めに行って下さい!」
「先生・・・・彼女たち大丈夫ですか!?」
「おそらく、脱水症状が改善されれば、大丈夫でしょう!」
「ありがとうございます!」
「後は、安全に移動して下さい!」
「はい、了解しました!」
ホッとする拓哉、沢田そして二宮!
しかし拓哉、彼女達に与えられたであろう、精神的なダメージが気になる!
きっと、相当な恐怖を味わった事だろう・・・・
DVとか・・・・・それ以上は考えたくない!
突然シャローンが怯えだした!
どうやら意識が少しずつ戻って・・・
与えられた多くの恐怖が甦り・・・・・
それに怯えて・・・・
「シャローン! 俺だ! 拓哉だ!」
レシーバーを室内に切り替え大声で叫ぶ!
しかし、ヘリの中ではシャローン姉妹には聞こえない!
拓哉、ヘリを自動操縦に切り替え、操縦席を離れ、
シャローン姉妹の下へ移動した。
操縦席には、二宮を座らせる!
「シャローン! 俺だ! 拓哉だ!」
今度は耳元で囁きシャローンの顔を軽く揺する!
「・・・・・ん・・・た・・く・・や?」
どうやら記憶が・・・・・・
「シャローン・・・大丈夫か!」
「もう安心していいよ!」
「・・・・・・・・・」
「シャローン!」
「・・・・・・・・・キャー!」
シャローン拓哉を見ても怯えるばかり!
一体何が・・・・・・どんな恐怖を味わったのだろうか!?
拓哉・・・・抱き寄せた手を緩めた!
この状況で、一瞬だが緩めた手を再びきつく力の限りに、
シャローンを抱きしめた。
それは・・・・拓哉の匂い!
感触で肌で・・・スキンシップで・・・・
シャローンの記憶を覚醒させる目的に切り替えた。
怯えていた体が・・・体の震えが止まった。
拓哉の心からの体温が・・・
シャローンの記憶を呼び覚まさせたのだろうか!
「拓・・哉・・!」
シャローンの目が、・・・拓哉の優しい瞳が濡れて・・・
「うん,俺だ・・・拓哉だ!」
「・・・・うう・・・拓哉・・・怖かった!」
「うん・・・・うん・・・もう大丈夫!」
シャローンの震える唇を・・・覆った・・・拓哉の唇が!
その唇をシャローンが貪る!
恐怖からの離脱に・・・・拓哉の救出を確信出来て・・・・
それを強く実感している。
太平洋上空で・・・・眼下に青い海、
晴れ渡る大空の彼方に緑と土で日本の地形が、
海で囲まれた大地が視界に入る。
おそらく7分程度で、目的地である受け入れ病院のヘリポートに、
到着予定だ!
「拓哉さん!」
ヘリの操縦席から二宮が叫ぶ!
「後1分でそちらに行く!」
「了解です!」
流石の二宮、レンジャーに所属していた経験があっても、
ヘリの操縦は経験が無い。
シャローンは、拓哉を確認出来てやっと顔が綻び、一安心か!
ローラは沢田が面倒見ていた。
ローラはシャローンと比べると、比較的しっかりしていた。
そして沢田を早く認識出来た。
ローラは沢田に水が欲しいと自ら訴えた。
ヘリにも冷蔵庫が設置されていて、冷えたミネラルウォーターが数本あった。
その1本を沢田が持って、ローラの前に・・・・見せる!
差し出されたペットボトルに、ローラは喉の渇きより手の力が弱く、
渡されたペットボトルを落としそうに・・・・
それを見た沢田、意を決して、自らペットボトルからミネラルウォーターを、
ゴクリと飲み、口に含みローラの唇に口移しで飲ませた。
ローラ何のため来も無くその沢田の口から美味そうに水を飲み干す!
「美味しい! もっと!」
と、ローラ、せがむ!
沢田はそこで我に帰り、事の重大さを知る。
なので、その後の口移しに躊躇が・・・・
「沢田さん・・・早く・・・もっと!」と甘える!
あれと・・・思うが,実はローラ沢田に関心があった。
なので、もしかすると・・・・
手からペットボトルを落としたのは、ローラの・・・作戦・・・か?
勿論シャローンも拓哉から、躊躇なく口移しでミネラルウォーターを、
十分補給してもらった・・・・
それを堪能する余裕は、シャローには当然あり、
拓哉も普段に無い程、カサついたシャローンの唇を、
優しく舐めるように潤した。
すぐ先に、救急病院のヘリポートマーク(◯にH)が、
斜め45度前方に確認出来た!
拓哉が操縦桿を握りながら・・・・
「降下する!」
「シートベルト着用しろ!」
「了解!」
「了解!」
ヘリはきっちりヘリポートに着地した。
救急病棟の出口から、ストレッチャー2台と、看護師、
医師が駆け寄って来た。
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