19 シャローン、ローラの歌の実力! 新たな展開 化粧品 エンリコの野望!
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19-Finder
エンリコ・ストーンが、拓哉の事務所に飛び込んで来た。
そして、拓哉に詰め寄るように・・・・
「えっ・・・シャローン姉妹が拉致だって!」
「あぁ・・・どうやら、可能性が高い!」
「どうして・・・・どうして護衛を?」
「すまん、まさかと・・・・」
「ほとんどの時間をルミのレコーディングルームか、うちの事務所に・・・」
「おい、それは油断だ!」
エンリコの白い顔が真っ赤になって、拓哉に不注意を咎める様が真剣だ。
まあそれだけエンリコも、シャローン姉妹に本気の度合いが伺える。
外国では、価値のある・・・・そう稼げる人グループに、
ボデーガードを付けるのは当たり前なのだが、日本では意外とゆるい。
「すまん! 俺が必ず連れ戻す!」
「・・・・・・・?」
「絶対に・・・な!」
「そうか・・・・それなりにあてがあるのか?」
「まぁ・・・・・な!」
拓哉の真剣な眼差しに、先ほどまでのエンリコの強硬な姿勢もたじたじだ。
一体、拓哉にどんな手立てがあるのだろうか・・・・
確か・・・・、昔彼も人並み以上にやんちゃな時が・・・・
「TAKUYA・・・困ったら連絡しろ!」
「・・・あぁ! その時は頼む!」
「俺は今夜、戻る! 俺も多忙なんで・・・・」
「わざわざ、呼んで・・・すまなかったな!」
「そんな水臭い事を言うな!」
「俺の変わりに・・・・役に立ちそうなのを2名呼んだから・・・」
「ありがとう・・・でも・・・俺は・・・」
「わかっている!」
知らない人が聞いたら・・・それって・・・その世界の話?
と、勘違いしそうな話だが、多少の荒っぽい事も予想される。
拓哉の心の中では、相手がその気なら・・・それもありかと!
拓哉は事務所の事務員に、
「暫く留守にするから・・・・」
そう言って、拓哉は昨夜夜遅くまで電話や、
ネットで何か調べ物をしていた。
時折、拓哉の普段では聞けない、凄みのある言葉が聞こえたとか・・・
あれから心配でしょうがないルミ、拓哉の事務所に電話を入れた。
「すいません! 拓哉さんいますか?」
「あのう・・・どう行ったご用件でしょうか?」
あいにくにも、新人の事務員はルミと拓哉の経緯を知らない。
そこで、古くから入る事務員がその電話を、奪うように受け継いだ。
そして、子機を持って拓哉の部屋に入った。
「すいません! 事情がわからない新人なもので・・・」
「私は、富村です!」
「拓哉さんですけど・・・暫く留守にするって・・・昨夜遅くから!」
「そうですか? ・・・・あのう・・・」
「何か・・・・!?」
「・・・あっ、すいません、いいです!」
「そうですか・・・でも心配ですよね!」
「ええ・・・」
どうやら、極秘で拓哉動いている様なので、聞いても事務員などに、
行き先を話すはずが無いと、知り早々と電話を切った。
ルミはルミで、ルミの親に連絡を入れて、相談に乗って欲しい事を、
手短に伝えて、アポイントを取り、ルミは父親のいるビルに向かうことにした。
さすかに多忙なルミの父親親子と言えども、行って直ぐに会えるわけでは無い。
翌日、拓哉の事務所にどうやら犯人側から、身代金の要求が、
メールであった。
そのメールは、拓哉の事務所の中のPCだが、
当然拓哉は、その内容を別のモバイルPCでチェックしていた。
“二人の身代金は100万ドル(1億円相当か?)”
“2日後に取引方法を連絡する!”
その文字をじっと見つめる拓哉、いくつかのメールの追跡を行ったが・・・、
予想した通りに・・・・無駄と知る!
拓哉は、昔やんちゃをして警察沙汰になった時に助けてくれた、
恩人の所に来ていた。
「すいません! 都合の良い時ばかり!!」
「まぁ、気にするな! 俺はお前の心が好きだ!」
「有難うございます!」
「で・・・・探して欲しい娘さんは・・この二人! かな?」
老紳士の前にはシャローン姉妹の写真がテーブルに置かれていた。
勿論拓哉の撮影した写真だ。
「この写真・・・・・」
「はい、50枚程用意してあります!」
「流石だな!」
「どうか・・・無事に帰して・・・・お願いします!」
「相手も、その姉妹に何かしたら・・・・」
「意味が無いことは、知っているだろうから・・・」
「私もそう思いまして・・・・こちらに・・・」
「36時間待ってくれるか?」
「はい! お願いします!」
そして、拓哉は都会の喧騒を忘れさせる東京都下の、
広大な敷地にひっそりと佇む、格式のある荘厳な純日本屋敷を後にした。
おそらくその名は、政界経済界の重鎮たちにも知られている。
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