16 シャローン、ローラの歌の実力! エンリコの野望!
16 シャローン、ローラの歌の実力! エンリコの野望!
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拓哉からの電話で、エンリコはなんとその後直ぐに、
マネージャーに日本行きのチケットを手配させた。
エンリコは拓哉に相談された事の嬉しさと、稀に見る金の卵を、
早まって安売りさせたくない思惑が、そうさせたのだろう。
「やぁ・・・・わざわざ・・・スマン!」
「超多忙だが・・・・事がシャローン姉妹の事なら話は別だ!」
「そうか! エンリコ、君も彼女たちに・・・・・」
「そうだ! 大いに期待している!」
「ずっと前からな!!」
「そうか! 彼女のモデルとしての資質!」
「それに音楽の才能は、とっくに見抜いて・・・・・」
「そう! 出来れば・・・」
「TAKUYAがそれに気づかずに居てくれる事を願った!」
「・・・さ!」
「・・・・・・それは!」
そうは言っても、まぁ目の肥えた日本のスカウトマンたちの目に、
止まらないはずは無かった。
事実彼女たちの問い合わせは、電話が鳴り止まない状態が続いていた。
それは・・・モデルとして、TVの目玉としてで、
彼女の歌の実力は知らないはずだが・・・・
「TAKUYA、君はシャローン姉妹をどうしたいんだ!」
「俺・・それが解らなくてお前を呼んだのだ!」
「で!・・・君はどうしたいと・・・例えばミュージシャン!」
「・・・・出来ればもう少しあらゆる勉強をさせて・・・・・」
「ハリウッドスター、エンターテナー、歌えて、演技も出来る!」
「おい、随分欲張りだな!」
「でも、俺はそれを否定しない!」
「・・・・・彼女は間違いなく大物になる!」
「・・・・・・!?」
拓哉はエンリコの言葉を鵜呑みにはしないが、
確かに可能性は十分に秘めている。
そんな風に思う気持ちに、何故か拓哉少し複雑・・・・・、
もしかして・・・・ずっと手の届かない世界に行ってしまって、
自分のことを忘れられそうな・・・・・
いいや、彼女はそんな性格ではない・・・・?
人の気持ちの良くわかる、心もメチャ純な娘だ。
だから・・・・・、多くの人を魅了する何かがある!
「なら?・・・・どうしたら・・・・・・」
はっと・・・・、我に返り、
エンリコの言葉を遠くで聞いているような・・・・
マズイ!
「やはり・・・・・演技の勉強を優先・・・・も!」
「望むなら! 彼女が!」
「それも一理ある!」
「しかし、今世間が注目している! 全世界が、な!」
「そうか!・・・・既に、世界中に流れて・・・」
「そう・・・タイミング! 期は熟してる・・・よ!」
そうなのだ。あの時の映像はアメリカ全土、
そしてヨーロッパにも・・・・・
ネット社会は、1日もあれば世界をまわる!
ホットでいいニュースは直ぐに世界を駆け捲る!
しかし、ゴシップはそれ以上に早く駆け巡る。
例えば・・・・・
ゴルフ界のスーパースターの浮気スキャンダルとか・・・
あの時の映像が、アメリカ全土に流れ、一躍時の人か・・・・
シャローン姉妹、そしてルミのファッションショーと、リサイタルの時に
注目を浴びたのだ!
やはり、プロの目は鋭いと拓哉はつくづく思った。
だが、拓哉は慎重だ!
それは・・・・、
拓哉には金銭や名声に無頓着であるから・・・・
決して、シャローン姉妹やルミで・・・・
一緒に乗っかって、あわよくば自分もなんて気は、さらさら無い!
しかし、現実は動いている!
あのファッションショーで困った事が・・・・・
それは、商品が売れて品薄状態が続いている!
拓哉の雇い主も想像以上の反響に、アメリカでの開催も検討される。
大手の、バッグメーカー、アクセサリーメーカー等も、
こぞって参加の申し込みがある。
果たしてこの方法での販売方法が定着すると、
一般販売店は困った事になる。
携帯やネットでダイレクトに注文が行けば、
中間業者が失業することに・・・
そんな風に、あのファッションショー以来新たな問題が発生している。
拓哉や、シャローン姉妹ルミの知らないところで・・・・
喜ぶ人もいれば失職に悩む人も・・・・
こんな所にまで波及する力を持った、3人・・・いや4人か!
まあ逆に言えば、拓哉のファインダー越しに見る彼女が、
多くのプロの目に留まった。
狙いが当たったと言う事になる。
今まで抱えていた、過剰在庫もあっという間に無くなり、
追加発注が相次ぎ、それぞれ関係する仕事先は、大慌てが現状のようだ。
しかし、上層部は品質の維持には躍起になっている。
世に出た商品が少しでも不備があり、クレームで返品となれば、
それは、大なり小なりモデルにも影響する。
まして、そのメーカーの重役の娘がルミと知れては・・・・
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